過疎地域持続的発展計画の策定2021
晴れ時々くもり一時雨
今年(令和3年)4月1日に施行された新たな過疎法、『過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法』に基づいて、江田島市は新たに『過疎地域持続的発展計画』(期間:令和3年度~令和7年度の5年間)を策定することになります。
この計画は、基本的に市の最上位計画である10年間を期間とした「第2次総合計画」(→こちら)を前提として策定されます。
(参考)2020年9月 6日 新たな過疎法について
※余談になりますが、令和7年度からの10年計画となる第3次総合計画策定は、『持続可能な、恵み多き、宝のしま~えたじま』をどう描くかということがとても重要になります。
話を戻します。11月2日、過疎地域持続的発展計画(案)についてパブリックコメントを実施(期間:11/2~11/22)することが市HP(→こちら)で公開されました。
尚、「過疎地域持続的発展計画」は議会の議決が必要です。市から議案として提出されたとしても、この時点で、本会議で議会側から修正することはありません。(可決・否決の議決のみ)
江田島市は過疎地域持続的発展計画に基づいて、過疎対策事業債(過疎債)を財源とした事業を実施していきます。この計画に基づいたものでないと、江田島市にとって有利な借金(過疎債)をすることが出来ない、ということはとても重要なことです。
財政的に厳しい(市税ではとても運営できない)江田島市において『有利な借金』(国からの補助付き)は市政運営の拠り所です。
議員の皆さんには先日(11/1)の全員協議会で計画案が配布されました。第2次総合計画と計画案を照らし合わせ、そして選挙戦で市民に公約したことを勘案しながら、計画案について意見(質問)があれば、パブコメを利用することも大切です。
前回(5年前の平成28年)、議員でしたが、最終的な計画案に仕上がる前に、一市民として意見を提出させていただきました。(→こちら)
※過疎債
充当率(借金に充てる率)が100%(頭金がいらない)であり、その元利償還金の70%は普通交付税の基準財政需要額に算入(国からの支援)されることになります。つまり1億円の事業で実際に市が負担するのは3000万円。7000万円と金利は国が後年度、地方交付税として補填します。
過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法(→こちら) (過疎地域持続的発展市町村計画) |
過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法に関係する県と国の動きは以下の通りです。
【広島県の動き】
新法により、「過疎地域持続的発展方針」(→こちら)と過疎地域の市町に協力して講じようとする措置の計画、「過疎地域持続的発展県計画」(→こちら)を策定しています。(→県HP、県の参考資料)
【国の過疎対策について】
新法は、過疎対策の理念を『過疎地域の持続的発展』(持続可能な社会の形成及び地域資源等を活かした地域活力の向上)に改め、法律の名称を変更し、過疎地域の公益的機能や過疎対策の理念を明確にするため、前文が定められました。
これに伴い、第1条(目的)にも『自立促進』から『持続的発展』が付け加えられ、「過疎対策の目標」にも新たな事柄が付け加えられました。
(参考)
総務省HP→過疎対策について
徳島県HP→過疎法とは何ですか?
新法と旧法の目的は以下の通り。(参考→新法と旧法の比較)
(旧法) 過疎地域自立促進特別措置法 |
(新法) 過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法 |
(目的) 第一条 この法律は、人口の著しい減少に伴って地域社会における活力が低下し、生産機能及び生活環境の整備等が他の地域に比較して低位にある地域について、総合的かつ計画的な対策を実施するために必要な特別措置を講ずることにより、これらの地域の自立促進を図り、もって住民福祉の向上、雇用の増大、地域格差の是正及び美しく風格ある国土の形成に寄与することを目的とする。 |
(目的) 第一条 この法律は、人口の著しい減少等に伴って地域社会における活力が低下し、生産機能及び生活環境の整備等が他の地域に比較して低位にある地域について、総合的かつ計画的な対策を実施するために必要な特別措置を講ずることにより、これらの地域の持続的発展を支援し、もって人材の確保及び育成、雇用機会の拡充、住民福祉の向上、地域格差の是正並びに美しく風格ある国土の形成に寄与することを目的とする。 |
【注】新法では、過疎対策の目標として以下のことが追加として掲げられています。 ・人材の確保・育成 ・情報通信産業の振興 ・情報通信技術の活用(参考→ひろしま県民だより令和2年春号) ・子育て環境の確保 ・再生可能エネルギーの利用推進 |
【江田島市の市債について】
2007年3月に旧法の地方財政再建促進特別措置法に基づく財政再建団体に移行した北海道夕張市。『夕張問題』がフォーカスされたことで、その当時、いつかは江田島市もそうなるのではないか、と多くの市民の皆様から問われたことがあります。
国からの支援がある市債(借金→過疎債、合併特例債など)もあることから、市民の皆さんには江田島市は大丈夫と説明してきましたが、実質の借金額を市がこれまで説明してきませんでした。
遅ればせながらですが、昨年(令和2,2020)に文書質問で明らかにしました。(参考:夕張問題の10年後の論文→こちら)
令和元年度(2019)決算時点で、江田島市の借金247億7000万円のうち、国の支援(後年度、交付税措置として地方交付税が交付される)を引くと、実質的に負担するのは80億7500万円でした。(→文書質問・回答)
※交付税措置 市債の元利償還金の一定割合を普通交付税の基準財政需要額に算入することができる。つまり、後年度、地方交付税として地方自治体に交付される。 |
(参考過去ブログ)
2020年 5月 4日 市債をわかりやすく説明するには
2020年 7月16日 市債について(文書質問)
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