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2021年10月 5日 (火)

R3市議選を振り返って(その2)

晴れ

2021105-etajima_city_coucil_election  10月5日の中国新聞から。昨日、10月3日の市議会議員選挙の当選者に当選証書が交付されました。記事にもあるとおり、このたびの選挙日の年代別議員数を前回と比べてみると世代交代が進んだと言えます。

  30代 40代 50代 60代 70代 80代 平均年齢
平成29年 1 1 3 7 6 0 63.72
令和 3年 1 4 4 3 3 1 57.94

 今回トップの上本雄一郎氏は1503票とこれまでの市議選で最多得票です。このたび引退される父、一男氏も1期目(→H25選挙)の挑戦で1378票と当時の歴代最多得票を獲得し、2期目(→H29選挙)も1235票の2位と圧倒的な強さでした。

 後継候補(世襲)として地盤・看板があり、そして能美町では2候補という要因もあるとの見方もありますが、過去最低の投票率(66.92%)のなかで、過去最高の得票というのは、42歳の若さとこれまでの経験に地域の皆さんから圧倒的な支持があったからこそです。

 市議選は地域代表を選ぶものではありませんが、はやり、地域のことをよく知っていて、日ごろから「顔の見える候補者」が支持を得やすい。今後のご活躍に期待しています。

 参考までに、9月25日現在の選挙人名簿定時登録者数(→こちら)をもとに各町別の一覧表を作ってみました。勿論、他町からの支援者もいますが、得てして地元意識がまだ残っていることは否めません。
※当日有権者数は19,073人。

町 名 有権者数 立候補者数 有権者/候補者 当選者数 全候補者得票数
江田島町  6,981人  5 1,396.2人  4  3,045票
能美町  4,167人  2 2,083.5人  2  2,153票
沖美町  2,469人  2 1,234.5人  2  1,926票
大柿町  5,683人 12  473.5人  8  5,503票
江田島市 19,300人 21  919.4人 16 12,627票

 平成16年(2004)11月1日に江能4町(安芸郡江田島町、佐伯郡能美町・沖美町・大柿町)が合併して誕生した江田島市も今月末で17年が経過し、11月から18年目に入ります。このたびの最年少当選者の宮下成美氏(33歳)が合併時は高校生(16歳)であったことも時代の流れを感じさせられます。平成18年広報えたじま7月号の表紙を飾ったことを懐かしく思います。(→こちら

 私の経験からですが、合併前の平成15年(2005)、32歳のとき、有権者のご支援を頂いて大柿町議からスタートしてより、前回(H29年)選挙前まで40代後半になっても市議会で最年少でした。

 このたびの改選で、江田島市政発展のため、議会に挑戦し、見事ご当選された30代、40代の皆さん(5人)がいらっしゃることを大変うれしく思います。

H26_congress_basics_regulations1-pdf  初当選された皆さんには、まずは市議会の最高法規である『江田島市議会基本条例』(→解説付き条文H26年議会報告会(説明資料))で議員・議会と行政・市民との関係を確認していただき、また、配布されるであろう議会ルール(→こちら)や『議員必携』を参考に議会の仕組みを学び、来る12月定例会に臨んでいただければと思います。

 また、江田島市政の根幹となる計画を先ずは読んでみることも大切です。行政は中長期計画に基づいて運営されており、下記の3計画と人口ビジョン・総合戦略が最も大切なもので、これに基づいて各部局が事業を計画・立案し、予算付けされて執行しています。

 今後、ますます財政が厳しくなることが予想されており、行財政経営計画において、事務事業総点検、そして各種補助金や使用料・手数料等の見直し(値上げ)があります。市民の皆様に直接影響することもありますので、市民代表としてしっかり行政と議論していくことが大切です。(→参考過去ブログ

名 称 計画期間 内  容
新市建設計画 H16~R 6 合併後の新市を建設していくための基本方針を定めたもの。合併特例債は新市建設計画に基づいて活用し、また、江田島市総合計画へ引き継がれています。
第2次総合計画 H27~R 6 江田島市の最上位計画。「協働と交流で創りだす『恵み多き島』えたじま」を将来像とし,それを実現するための戦略として「市民満足度の高いまちづくり」及び「未来を切り開くまちづくり」を掲げ,まちづくりを進めていきます。
第2期人口ビジョン・総合戦略 R 3~R 7 国の『地方創生』(まち・ひと・しごと総合戦略)に対応した計画。
まちづくりの指針となる最上位計画である総合計画に対し,総合戦略は人口ビジョンの分析等を踏まえつつ,人口減少に対処するための分野別計画として位置付けます。
行財政経営計画 R 2~R 6 第3次財政計画」及び「第4次行財政改革実施計画」を一体化し,「行財政経営計画」として策定。次なる10年(第3次総合計画期間R7年度~R16年度),未来のまちづくりを見据えて,計画に基づく行財政改革を推進することで行財政経営を実行できる人材の育成と組織力の強化を図ります。

 一方、議員経験を測る一つの基準である当選回数(期数)は以下のとおりです。旧町の町議会議員を経験している当選者は4人(山本一也氏⑥、浜西金満氏⑥、沖元大洋氏④、沖也寸志氏④でともに大柿町議出身)で、連続6期の市議は2人。(山本氏と浜西氏)

  1期 2期 3期 4期 5期 6期
平成29年 5 3 5 - 5 -
令和 3年 6 2 2 4 - 2

 合併当時、旧町議が1年間の在任特例により53人の市議(→議会だより)がいましたが、定数の削減(53→26→20→18→16)と引退等によって世代交代を繰り返してきました。

 新たに議員になられる皆様には、合併から今日に至るまでの様々な事業の変遷も機会あるごとに調べてみることをお勧めします。『温故知新』そしてDX活用等の新たな分野の知見を得ながら、将来の江田島市(民)にとって最適な政策を行政に提言して頂ければと思います。

【参考】
旧町ホームページ江田島町能美町沖美町大柿町
江田島町・能美町・沖美町・大柿町合併協議会(法定協)議事録広報誌

 『政治手腕』は経験年数の長短で測れるものでもなく、市政発展のため、『市民益』をどう増やしていくか、また、『恵み多き、宝の島、えたじま』をどう持続させていくかという視点で今後の議員活動に邁進していただければと願っています。 

H291017gikaikaikakuchugoku_np 前回(H29)市議選後、地元紙に江田島市議会に対して『議会改革』を求める論説記事が出ました。

 当時、当選された新人が、まだ任期がスタートしていない段階で、議員報酬を上げるべきと言いまわっていると記者やその方の周辺市民から話を聞いたことがありました。恐らく、このような話が支局に報告され、大変厳しい記事になったと推測します。

 このたび働き世代の議員が増え、また、議員定数2減のなかで、改めて『定数と報酬』について議論することも大切です。このまま人口減少スピードが変わらなければ、4年間で約2000人減少が予測され、議員定数において1減(定数15)若しくは2減(定数14)を検討しなければならないかもしれません。

 参考までに、江田島市(2万1959人)よりも人口の多い竹原市(2万4210人)の議員定数は14人です。(人口は令和3年9月1日現在)

江田島市議会基本条例

(議員定数)

19条 議員定数の改正に当たっては,行財政改革の視点だけではなく,社会経済情勢,市政の現状と課題,将来の予測と展望を十分に考慮するとともに,議員活動の評価等に関して市民の意見を聴取するため,公聴会制度及び参考人制度を十分に活用するものとする。

2 議員定数の基準は,人口,面積,財政力及び市の事業課題並びに類似市の議員定数と比較検討し,決定するものとする。

3 議員定数の条例改正議案は,市民の直接請求による場合及び市長が提出する場合を除き,議員定数の基準等の明確な改正理由を付して,委員会又は議員から提出するものとする。

(議員報酬)

20条 議員報酬の改正に当たって,議員が提案する場合は,行財政改革の視点だけではなく,社会経済情勢,市政の現状と課題,将来の予測と展望を十分に考慮するとともに,議員活動の評価等に関して市民の意見を聴取するため,公聴会制度及び参考人制度を十分に活用するものとする。

2 議員報酬の条例改正議案は,市民の直接請求による場合及び市長が提出する場合を除き,明確な改正理由の説明を付して,委員会又は議員から提出するものとする。

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