R3年6月定例会(1日目)【一般質問】
本日から6月定例会が始まりました。冒頭の市長あいさつで明るいニュースとして、新たに江田島市へ進出する企業について紹介がありました。(→市長あいさつ、企業進出の過去ブログ)
初日は5名の一般質問があり、午後から2人目で私も質問しました。一週間後には録画配信される予定です。(→こちら)
番号 | 質問者 | 質 問 事 項 |
1 | 岡野数正 | 新型コロナウイルスワクチン接種について |
江田島市協働のまちづくり地域提案型活動支援補助金について | ||
2 | 熊倉正造 | 過去の一般質問のその後の進捗状況について |
3 | 角増正裕 | 合併特例債等の市債について |
4 | 胡子雅信 | 海上交通について |
5 | 長坂実子 | 包括的な性教育について |
特別支援教育について | ||
滞在しやすくなる受入れ体制について |
私は『海上交通について』5項目の質問(→読み原稿、録画配信)をしました。人口減少で乗降客が減少する厳しい状況にある中、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、航路運営において更に環境が悪化しています。
海上交通について(質問要旨) 人口減少による乗降客が毎年減少する厳しい状況にある中で,令和2年からの新型コロナウイルス感染症拡大による利用者減で更に環境悪化となっている海上交通をどう支援していくか,江田島市民の生命線をどう維持していくかが課題である。そこで,次の5点について伺う。 1 新型コロナウイルスによる影響で乗降客数が著しく減少している航路事業者を支援する航路維持支援金の利用状況及び全航路の乗降客数の状況は。 2 人口減少が進む中で,航路運営は年々厳しい状況にあり,市全体の海上交通をどう考えていくか。 3 中町・高田/宇品航路は公設民営化して3年目から経常赤字であり,令和2年10月からの新たな指定管理期間となったタイミングで減便や回数券・通勤定期券の運賃改定等見直しを図ったが,今後,赤字が続いた場合の対応をどうするか。 4 広島県生活航路維持確保対策事業補助金制度の適用航路拡大についてどう考えるか。 5 人口減による利用者減を補う施策をどう考えるか。 |
江田島市と広島市や呉市を結ぶ市内航路の乗降客数は令和2年4月・5月は前年(令和1)同月の約40%、その他の月は約20%と大幅な減少が生じています。運賃収入(=売上)も同程度の減少と推測します。
江田島市も”市民の生命線”ともいえる生活航路を守るため、国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を財源に、令和2年3月から広島航路(50万円/月)、呉航路(30万円/月)の航路維持支援金を支給しているところです。(参考→公共交通協議会資料)
令和3年度も国の令和2年度第3次補正予算を財源として、広島航路3(切串宇品航路、小用宇品航路、中町宇品航路)と呉航路3(小用呉航路(フェリー)、小用呉航路(高速船)、切串天応航路)に対し、年額2,880万円の予算を組んでいます。(参考→公共交通協議会資料)
しかしながら、支援金では『焼け石に水』の状況であることを認識しなければなりません。中町宇品航路(公設民営)において、乗降客が20%減少すれば、運賃収入もおよそ20%減となります。
コロナ以前の実績からすると、年間運賃収入は少なくとも3億円あり、その20%は6,000万円。一か月の平均では月500万円の運賃収入(売上)の減という試算になります。月額50万円の支援金では到底足りないことがわかります。
中町宇品航路 公設民営 第1期(平成27年10月~令和2年9月)乗降客数と運賃収入の関係
期間 | 乗降客数 | 前年比 | 運賃収入 | 前年比 |
H27.10~H28.9 | 535,604人 | - | 3億4,223万円 | - |
H28.10~H29.9 | 519,044人 | ▲3.1% | 3億2,839万円 | ▲4.0% |
H29.10~H30.9 | 512,261人 | ▲1.3% | 3億2,403万円 | ▲1.3% |
H30.10~R 1.9 | 486,606人 | ▲5.0% | 3億1,106万円 | ▲4.0% |
R1.10~R2.9 | 383,519人 | ▲21.2% | 2億4,886万円 | ▲20.0% |
広島県では、離島に限らず、”生活航路”として認定している航路を維持するために、赤字に陥った航路について一定条件の経費を関係市町(発着の自治体)が補助する額の1/2を補助金として市町に交付する生活航路対策事業補助金制度があります。
江田島市に関係する対象航路としては、三高宇品航路、切串宇品航路、小用宇品航路、小用呉航路、中町宇品航路の5航路が指定されており、現在のところ三高宇品航路のみが活用しています。(平成26年度から活用、参考→公共交通協議会資料)
県補助金の交付対象となる航路の基準 (1)離島航路 (省略) (2)『架橋で結ばれた地域の経済活動の維持』に不可欠な旅客定期航路であって、次の要件のすべてを満たすもの ア 本土と架橋で結ばれた島の間の航路(航路距離が5km以上のものに限る。) イ 所要時間が陸路を利用した場合の2分の1以下の航路 ウ 複数市町をまたぐ広域的な主要航路 |
このままの状況が続けば新たに要請する事業者も出てくることも想定され、県や関係市(広島市、呉市)との協議が速やかに行われるよう対応する必要があります。
左は三高航路の補助金についてまとめたもので、令和3年度に広島県と江田島市が交付する金額(予算ベース)は令和2年度に比べ、1,583万円増の5,479万円(県が1/2を負担)となっています。
参考までに。広島市と江田島市との連携中枢都市圏形成に係る連携協約(→こちら)には、(2)結び付きやネットワークの強化について、次のことが掲げられています。ただ、航路運営についての合理化計画が前提になると思料。
取 組 | 内 容 | 広島市の役割 | 江田島市の役割 |
生活航路の維持・確保 | 圏域内住民の交通手段の維持・確保を図るため、不採算の航路の運航費の一部を補助するなど、生活交通の維持・確保に取り組む。 | 不採算の航路の運航費の一部補助などに主体的に取り組む。 | 不採算の航路の運航費の一部補助などに広島市と協力して取り組む。 |
今年度、江田島市公共交通計画を策定する予定(参考→公共交通協議会資料)であり、江田島市全体の海上交通、陸上交通の在り方について、将来的に民間航路の公設民営化や航路集約なども含め議論していく必要があります。
(参考)
国土交通省が実施する港湾統計調査によると、令和元年(2019)の市内航路の乗降客数は約199万人で、10年前の平成21年(2009)の約276万人と比べると約77万人、率にして28%減少しています。
市内航路の主な利用者は通勤・通学者であり、生産年齢人口(16歳~64歳)は平成17年(2005)と令和元年(2019)を比べると7,095人の減少で、率にして40.9%減少しています。
(追記)
6月15日、広島県の新型コロナウイルス感染者は14人(うち広島市8人)が確認されました。広島市の感染者が1桁となること、および広島県で20人未満になるのは4月13日以来、約2か月ぶりということです。
広島県では、6月20日まで緊急事態宣言が延長となっており、今後もリバウンド回避のため、一人ひとりができる予防対策をすることが大切です。
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