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2021年4月22日 (木)

市所有船の更新について(R3.4.22)

晴れ
20191217shedule-for-replacement-of-ships  令和1年12月17日開催の第11回全員協議会で説明された『中町/宇品航路の船舶の更新について』(→説明資料)によると左の更新スケジュール(予定)になっています。

 現在のところ工程表(令和2年度着手の想定)よりも少し遅れていますが令和3年度には何らかの動きがあると思います。

 船舶を途中で売却することなく使い続けるとすれば、20~30年間という長期に渡って運航されます。人口減少が進む江田島市において、船を建造するにあたっては、定員・スピード(所要時間)や燃費等の経済性も含めて慎重に検討することが必要です。

※イニシャルコスト(初期費用)とランニングコスト(維持費用 運航コストも含まれます)の精査が必要。

 現在の所要時間を維持する運航スケジュールであれば、現行運賃を前提としての建造になる。一方、現行運賃では日常生活に経済的負担となるという“声”もある。平成29(2017)年度から制度化している“通学定期補助(1/3)”では、子育て世代への支援として、一定の定住効果になっていると考えます。

2015年12月 8日 運賃負担感の軽減検討
2016年12月 9日 市外に通う高校生への通学費補助制度
2017年 323平成294月「学割パス」スタート
2021年 3月20日 運賃負担感に行政の支援

 市民の理解が大前提ですが、所要時間をフェリーと高速艇の中間(約40分)とし、建造費及びランニングコストを考慮しながら運賃の低減を模索することも必要(だったの)ではないだろうか。

 中町港~広島港を短時間(約30分)で結ぶとすれば、それなりのエンジンを搭載する必要があり、燃料費も嵩みます。燃油の高騰がひとたびあると大幅な赤字に陥ることもあります。赤字解消のため運賃値上げに踏み切らざるを得ない局面もあります。かつての市営船のように公費で赤字補填することもあります。(→参考

Monitoring-of-ship-h2710r29  具体例とすれば左の表です。平成27年(2015)10月から指定管理制度を活用した中町~宇品航路ですが、2年目までは黒字であったものが、利用者減もありますが燃油の値上がりにより3年目から赤字に転落したことが証明しています。

 参考までに燃料消費とスピードの関係について。

 一般的には、燃料消費はスピードの約3乗に比例する。(→参考ブログ論文)船型によって何乗かというのは異なるが、一般的に2~3乗に比例する、言われています。スピードを5%遅くすると、燃料消費は14%削減できる、というのが理論値です。

 専門的な話になりますが、各船固有の【speed-powerカーブ】にもとづく、あるスピードでの馬力を算出し、各エンジン型式固有の【燃費率曲線】(横軸が馬力、縦軸が燃費率 (g/kw/h:1時間、1kw(馬力)あたり何g燃料を使うか)により船のスピードに対する燃費が確認できます。

2021416-hydrogen-engine-ship  左は4月16日の中国新聞から。ツネイシクラフト&ファシリティーズ社が世界初の水素を燃料とする旅客フェリーを建造し、まもなく試運転を行うという記事です。

常石グループHP→世界初の水素燃料フェリーの実用化をめざす

 政府が目指す2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロとする目標ともマッチングする取り組みとなっています。水素と軽油を混焼し、温室効果ガスの発生を半分に抑えられるという。

 将来的に江田島市と広島・呉を結ぶ航路で水素を燃料とするエンジン搭載する船がはしる日も来るでしょう。何れにしても、今後の船舶更新計画については注視していきます。

(参考)市所有船と同程度の船舶建造能力を有する造船会社
ツネイシクラフト&ファシリティーズ株式会社
瀬戸内クラフト株式会社

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