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2021年3月20日 (土)

運賃負担感に行政の支援

くもりのち雨
2021318ship 3月19日の中国新聞から。「離島航路の明日(下)」と題した特集記事です。3月18日には大竹市が離島である阿多田島航路のフェリー建造に市費を投じる記事が掲載され、今回は運賃負担感に対する“公”の支援について。

 先日も触れましたが、大竹市が阿多田島航路のフェリー建造に市費を投じ、“公設民営”として第三セクターに運航を委託する背景には、運賃の据え置きが念頭にあるという。(2021.3.18 阿多田島航路(大竹市)、公設民営化へ

 人口減少による利用者減により運賃収入が減少することで、収益確保のために応分の運賃に設定しないと航路運営は成り立ちません。また、建造費を回収するには、それに見合った収益を上げないといけない。

 運賃負担感が高まると島に住む住民の生活に大きな影響も出てきます。江田島市でも家族4人が広島市へ通勤・通学するようになって、広島市に移住した方がよい、という声をよく聞きました。

2015年12 8運賃負担感の軽減検討
2016年12 9市外に通う高校生への通学費補助制度

 このような状況の中、市は平成29年度から通学定期代を1/3補助する定住促進通学費支援事業(ワクワク検証事業→こちら)を3年間実施し、その後も効果があるとして継続しています。

 中町・高田/宇品航路は市直営から指定管理制度を利用した“公設民営”で運航しています。市所有船も建造から25年以上となり、近いうちに船舶更新をすることになります。

 20年後(2040年)の人口は1万2560人で令和3年(2021)3月の2万2327人に対して43.7%減という推計になっています。(参考→社人研エクセル)公共交通機関に限らず、”20年後のまちづくり”について行政・市民・議会でしっかり考えていかなければなりません。

 船舶更新時にはどのような船舶(大きさ、速度)にするか、航路維持するために運賃を含めどうあるべきか踏まえ、検討することになります。

 参考までに、令和1年第11回全員協議会で市が説明した船舶更新についての考え方です。

中町/宇品航路の船舶の更新について (R1年第11回全員協議会)
 (一財)地域公共交通総合研究所に船舶更新の必要性の判定について委託し、結果、現在所有する3隻のうち、2隻の更新を推奨する報告を受けた。(→説明資料
 現状及び今後の推移をみると更新が望ましい船舶のサイズは以下の通り。
【ニュー千鳥】→124総トン双胴船高速旅客船(定員150名)
【ロイヤル千鳥】→65総トン双胴船高速旅客船(定員99名)
【スーパー千鳥】当面は継続使用
 建造費は1隻4~5億円(税込)と見込まれ、財源は過疎債(50%)、企業債(50%)を考えている
 尚、船舶の更新は多額の経費が必要となるため、財政状況や次期指定管理者との協議を踏まえつつ、船舶の仕様や更新時期について検討する。

 尚、江田島市なって市直営から公設民営化にるまでの経緯について触れた過去ブログです。

★交通船の公設民営化まで~西能美航路再々編

2012年1115速やかな海上交通への取組を

2013年1月29日 西能美航路の再々編へ

2013年426西能美航路の再々編検討スタート

2013年826西能美航路の再々編 住民説明会@江田島町

2013年827西能美航路の再々編 住民説明会@能美町

2013年829西能美航路の再々編 住民説明会@沖美町(沖地区)

2013年830西能美航路の再々編 住民説明会@沖美町(三高地区)

2013年924西能美航路の再々編 住民説明会@高田地区

2013年925西能美航路の再々編 住民説明会@鹿川地区

2013年926西能美航路の再々編 住民説明会@中町地区

2013年1030続・第3回公共交通協議会

2013年1118続・西能美航路の再々編 住民説明会@江田島町地区

2013年1120続・西能美航路の再々編 住民説明会@能美町高田地区

2013年12 34回公共交通協議会、「公設民営化」方針へ

2014年211市営船合理化と消費税による値上げ

2014年2143回交通問題調査特別委員会
       (航路事業者からのヒアリング)

2014年327西能美航路の再々編方針決定

2014年1029臨時議会と第7回総務常任委員会

2014年11 9いよいよ市営船の指定管理者募集始まる

2015年123市営航路の指定管理、候補者決定

2015年213H272回交通問題調査特別委員会

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交通問題(船・バスなど)」カテゴリの記事

コメント

本当に重要な話題だと思います。
広島で働く人は島の外がいかに便利かを知っています。記事にあるように家族で複数の人が広島市に通うとか,介護が終わるとか,行政や生活への不満があるとか。そのような場合,交通機関のサービス低下は移住の強力な後押しになると思います。

投稿: 匿名 | 2021年3月21日 (日) 10:26

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