法制審、土地の相続登記義務化の要綱案まとめる
晴れ 2月3日の中国新聞から。所有者不明土地問題の解消策を議論していた法制審議会の部会が民法や不動産登記法の改正要綱案をまとめたという記事。
平成29年(2017)に読んだ『人口減少時代の土地問題』(→著者インタビュー記事)では、国土交通省が2014年に行なったサンプル調査で、登記情報が50年以上前のままの土地が19.8%にのぼったという結果があります。全国の私有地の約2割がすでに所有者の把握が難しくなっています。
※2017年10月27日の中国新聞(→こちら)では、増田寛也・元総務相ら民間有識者でつくる研究会が発表した所有者不明地に関する記事が掲載されました。2016年時点で所有者不明地は九州を上回る約410万ヘクタールと推計。
登記情報が長期間、そのままにしている原因は、日本の登記制度が任意であるということ。所有者が亡くなっても相続人が移転登記をしない場合があり、特に田舎の土地・建物は資産価値が低く、相続人も登記費用を支払いたくないという心理が働きます。これが所有者不明化問題に発展し、自治体の固定資産税徴収への影響がでています。
このたびの改正要綱案では、「土地の相続登記義務化」を原則とし、一定の要件を満たせば、相続した土地の所有権を手放すこともできるとしています。
法制審議会は2月10日に法務大臣に答申し、政府は今国会に関連法案を提出し、成立を目指す。
法制審議会部会 要綱案のポイント ①土地の相続登記を義務化。3年以内に登記しなければ10万円以下の過料を科す。 ②相続した土地の所有権を一定要件下で手放せる制度を新設。 ③住民基本台帳ネットワークに照会し、土地の名義人情報を把握。 ④遺産分割の期限を10年とし、経過後は法定相続割合に従う。 ⑤相続人が不明な場合の財産管理制度を、財産全体でなく土地に特化して使えるよう見直す。 |
【参考過去グログ】
2017年12月18日 所有者不明土地、実に2割という実態
2017年12月22日 固定資産税に関する相続人代表者指定届
2018年 1月 2日 所有者不明土地への対策
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