旧秋月小学校跡地に水産加工会社の進出決定
晴れのちくもり
2月11日の中国新聞から。昨日のR3年第1回全員協議会(→こちら)で議会への説明がありました。
旧秋月小学校跡地を水産加工品卸会社、オーシャンポイント(株)(福山市松永町)が購入し、校舎及び消防屯所を解体したあと水産加工製品製造工場を建設することになります。(投資額約25億円)
広島湾が日本一のカキ生産地域(→参考)であり、自治体では近隣の呉市が1位、江田島市が2位という立地(原料となるカキの調達(物流)コストの軽減)、安価な敷地というのが決め手になったと推測します。
尚、敷地内にある体育館(→公共施設白書抜粋)は災害時の避難場所に指定されているので残されます。
これまで何度か公募していた旧秋月小学校跡地利活用ですが、『未利用財産の売却』及び『雇用創出の場づくり』という目的が達成されました。
2017年 8月13日 遊休施設を雇用の場へ
2017年 8月17日 しごとの場創出事業~旧・秋月小グラウンド
2019年 4月10日 旧・秋月小学校の利活用を求め仕切り直し
2020年10月29日 旧秋月小学校跡地にも明るい兆し2020
参考までに、旧小中学校跡地(校舎)の売却では、2件の実績があります。
1)旧津久茂小学校跡地
平成25年(2013)に旧津久茂小学校跡地を売却し、地元医療福祉機関が購入し地域密着型サービス事業の施設建設をした事例があります。(→H25年6月定例会(2日目)、公募型プロポーザル募集要項)
2)旧切串中学校跡地
令和2年(2020)に広成建設(株)に校舎込みで売却し、同社が研修センターを開設するというもの。(→R2年第5回全員協議会、R2.8.25R2年第8回全協資料)
オーシャンポイント(株)は旧秋月小学校跡地をカキの加工工場とするそうで、同社の『江田島Oyster Factory』計画によると工場は以下の概要です。
工場には見学者のコースがあり、また、バーベキュー(BBQ)広場を設置するということで新たな観光スポットになりそうです。江田島Oyster Factoryは、元気・楽しい・面白いを実現する『工場らしくない工場』を目指す。
【工場の概要】
敷地面積 | 11,178.63㎡ |
構造・規模 | S造2階建て |
延床面積 | 4,227㎡(1階3,581.5㎡ 2階645.5㎡(予定) |
製造設備 | トンネルフリーザー(1台) スパイラスフリーザー(2台) |
生産能力 | 冷凍カキIQF2,000トン、カキフライ1,200トン(年間) |
付帯設備 | 見学通路、オイスターBBQ広場 |
新規採用 | 65名(予定) |
売上目標 | 年間35億円(2年目以降) |
稼働時期 | 2023年1月(予定) |
設 計 | (株)鈴木工務店一級建築士事務所 |
昨日全員協議会で、担当部署(政策推進課)からは、売買価格については、『不動産鑑定評価額(更地価額)-建物等解体費用』により決定したとの報告がありました。
(1)鑑定評価額
売却範囲 | 地目 | ㎡単価 | 面積 | 更地価額 |
旧秋月小学校敷地 | 宅地 | 7,450円 | 8,506.22㎡ | 63,372,000円 |
秋月消防屯所敷地 | 宅地 | 7,450円 | 1,022.79㎡ | 7,620,000円 |
西側保全用地(農地) | 畑など | 861円 | 1,649.62㎡ | 1,421,000円 |
計 | 11,178.63㎡ | A:72,413,000円 |
(2)建物等解体費
旧秋月小学校・消防屯所及び外構等解体工事に係る見積徴取価格
B: 51,700,000円
このたびの契約では購入者が解体します。江田島市が解体するとしたらどの程度かとの質問に対し、担当者からは7135万円になるとの回答がありました。
根拠として示されたのが、市が発注した旧飛渡瀬小学校解体が約4700万円であったこと、この解体費から㎡単価を出し、旧秋月小学校の面積で計算すると約5400万円。アスベストが一部使用されているため、処分費を足し込むと7135万円になる。(民間が発注したほうが安い)
(3)売却価格
A:土地更地価格(72,413,000円)- B:解体費用(51,700,000円)
=20,710,000円(非課税)
(4)今後のスケジュール
令和3年 2月 | 2/10報道機関へのプレスリリース |
2/17売買(仮)契約の締結 | |
財産処分にかかる議会提案(2月定例会) | |
令和3年 3月 | 代金受納後に所有権移転 |
令和3年 4月 | 校舎解体工事着手(予定) |
令和3年12月 | オーシャンポイント(株)新工場建設着手(予定) |
令和5年 1月 | オーシャンポイント(株)新工場操業開始(予定) |
このたびの件では、耐震化(新耐震)されている旧校舎を壊すこと(旧秋月小学校→公共施設白書抜粋)、そして資産価値があるのに解体工事費を割り引いた土地売却はどうなの?という疑問の声もありました。
一般的には、資産価値のある建物がある場合は、建物込みの売買契約を結び、建物の除去については買主の勝手ということになるでしょう。一時、校舎ごとの売却(→2019年4月)の公募をしたが成就しなかった経緯もあります。このたびは新たな工場を建設し、65人余の新規従業者を予定するということを考慮したとう『力学』がはたらいたのではないか。
尚、本件の場合は企業立地奨励条例(→市HP)の対象となり、市の支援としては下表があります。
奨励金の種別 | 奨 励 内 容 |
企業立地奨励金 | 新増設した産業施設等に係る固定資産税相当額を5年間,100%助成(限度額なし) |
新規雇用奨励金 | 新増設した産業施設等に勤務する新規の常勤社員(市内居住)を雇用した場合,1人当たり50万円を助成(限度額2,500万円,1回のみ) ※当該産業施設等の操業を開始した日から1年経過後の最初の1月1日時点で6月以上市内に住所を有する者に限る |
施設整備奨励金 | 新増設した産業施設等に投下した固定資産(土地を除く)の固定資産税評価額の5/100を助成(限度額500万円,1回のみ) |
土地取得奨励金 | 新増設した産業施設等の事業の用に供する購入した土地の固定資産税評価額の5/100を助成(限度額1,000万円,1回のみ) ※事業の用に供する土地の面積が1,000㎡以上 ※取得した日から起算して3年を経過した日までに操業を開始 |
【参考】新たな水産工場建設
左は昨年末に撮ったもので、能美町鹿川地区での水産加工場建設の写真。
カキ養殖業者さんから、地元事業者等が新たな水産加工場を建設しているという情報をいただき、早速、現場へ行きました。市の未利用財産(老朽市営住宅の解体跡地)を購入して工場建設しています。
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