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2021年2月14日 (日)

可燃ごみ指定袋を考える

晴れのちくもり

H246kouhou_gomi  左は広報えたじま平成24(2012)6月号からの抜粋です。江田島市が合併する前の旧町時代にも町指定の『可燃ごみ指定袋』はありましたが、合併して”江田島市指定袋”へと移行しました。

20208kouhou_gomi  今年度(令和2)、ビニール袋入り(個別包装方式)からロール方式に変わり、Sサイズ(20ℓ)、Mサイズ(30ℓ)の容量は変わりませんが、Lサイズの容量が60ℓから40ℓになりました。

 市の担当者に聞くと、これまで中国からの輸入品でしたが、新型コロナウイルス感染症の拡大により、年度当初は輸入することができず、急遽、日本製になったということです。

 60ℓから40ℓに変更した理由ですが、ロール方式の場合、生産する機械のスペックにより『幅』が決まっている(短い)ので容量を60ℓにすると必然的に『長さ』が長くなるのでゴミを詰め込んだら持ち運びが難しくなる(身長の低い方だと引きずってしまう)ため40ℓに仕様変更したそうです。

 市民の方からは、ロール方式になって1枚1枚切り取ることが難しい(切り取りにくい)、これまでLサイズ(60ℓ)1枚だったのが、新Lサイズ(40ℓ)2枚を使うようになった、また、Lサイズのダウンサイジングにより1枚当たりの値段が上がったなど「不評」の声が市役所にも入ってきているそうです。

 Lサイズ10枚入りの値段は160円(一枚16円)には変わりませんが、容量が3分の2になったことで1ℓ当たりの値段が1.5倍になりました。(60ℓのときは0.27円/ℓ、40ℓのときは0.4円/ℓ)

 そこで県内自治体の可燃ごみ指定袋の値段について調べてみました。インターネットで検索すると広島県HPの『平成30年度一般廃棄物の状況』というページに辿り着きました。(→こちら

 2018-price-comparison_garbage-bag ここに『生活系ごみの有料化・指定袋化の実施状況 』という項目(→PDFファイル)』があり、広島県内の市町における状況を知ることができ、『可燃ごみ』に特化した表をまとめてみました。

 自治体によって、10ℓ~80ℓと様々なサイズがあります。表を見ると、江田島市の指定袋が最も安いことがわかりました。市の担当部局に聞いてみると、現在の販売価格は江田島市が購入している原価よりも安いという。

 つまり、市は原価割れで市民に提供しているということになります。指定ごみ袋を販売するお店に納品する業務も委託しており年間542万円(令和元年度)かけています。

★広島市、福山市、尾道市など有料指定ごみ袋のない自治体もあります。(平成31年4月1日現在)

Etajima_combustible-waste  左は決算審査の参考資料として配布される「主要施策の成果に関する報告書」をもとに可燃ごみについてまとめたものです。現在、江田島市は呉市に可燃ごみ焼却処分及び焼却最終処分業務を委託しています。

Kure_combustible-waste-processing-flow  左は呉市一般廃棄物処理基本計画(平成29年3月→こちら)から抜粋したものです。可燃ごみも焼却した後には灰になります。こちらの最終処分(埋立)にもコストはかかります。

 令和元年度の呉市への委託料は、焼却処分業務1億3502万7948円、最終処分業務1295万5068円で委託料合計1億4798万3016円。(呉市最終処分場:エコグロー二ブくれ→運営会社施工会社

【コラム】江田島市の清掃費

 令和元年度で4億8196万円かかっています。(一人当たり約2万1千円の負担)
 うち職員人件費4693万円。資源ごみも含めた家庭一般廃棄物収集運搬事業費(可燃ごみ処分費含む)は2億3994万円。ごみステーションから回収し、呉市の”クリーンセンターくれ”に搬入するまでのリレーセンターの管理運営事業費は5536万円。
 一般家庭や事業所から排出された粗大ごみ(可燃・不燃)の処理施設であり、びん、缶、ペットボトル、蛍光灯、乾電池、小型家電、発泡スチロール等の再利用のため分別処理する環境センター(→参考)の管理運営事業費は9979万円。

 江田島市と呉市の可燃ごみの指定袋(1枚当たり)の値段を比較すると下記のとおりです。

  10ℓ 20ℓ 30ℓ 40ℓ 45ℓ
江田島市 6円 11円 16円
呉市 10円 20円 30円 40円 45円

 呉市に処理を委託しているのであれば、呉市の指定袋を利用することはできないだろうか。人口でいうと江田島市の約9.5倍の呉市が年間発注する袋の一枚当たりの仕入れ単価は江田島市よりも安いのではないだろうか。(調達コストの低減)こんなことを考えてしまいます。

 ただ、呉市の指定袋を利用するとしたら、市民への販売価格は統一しないと呉市の理解は得られないだろう。一方、同じ値段にすると江田島市民の理解が得られるか。いずれにしてもハードルが高い。

 尚、呉市への可燃ごみ処理委託料は可燃ごみ1kg当たり20円前後です。令和元年度では委託料÷搬入量で19.5円/kg。これは市の税金で払っており、行政サービスのコスト削減のためには『ごみの減量化』は急務です。

 ごみを多く出す人が相応に負担するという受益者負担の考えも必要なのではないだろうか。

 令和2年度から令和6年度までの5か年で”行政運営”から”行政経営”の視点で『行財政経営計画』(→参考)を進めていくには市民の協力が必須です。

 『ごみの減量化』だけでなく、指定袋を県内市町並みに値上げすることも検討するべきではないか。一つの事例として、廿日市市が挙げられます。

2021126hatsukaichi_gomi  左は126日の中国新聞から。廿日市市では令和2年度から可燃ごみの指定ごみ袋を刷新し、販売価格に1ℓ当たり1円の手数料を加えて有料化をスタートし、可燃ごみが減少したという記事。(参考→西広島タイムス廿日市市の説明パンフレット

 料金設定は呉市と同じであり、45ℓ袋は145円で1枚約30円の値上げになった。加えて再生可能なごみを選別し、ごみ量の削減を促す狙いがあり、結果として資源ごみ(再利用可能)が増加し、可燃ごみが減少したというもの。

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コメント

ゴミ袋についてはそういう事情があったんですね。水道代とは逆に、ゴミ袋は江田島が安いのだということも知りませんでした。
それにしても、ロール袋は使いにくいのは確かです。サイズもですが、薄くて破れやすいものですから。
加えて、先日報道にあった談合との関連も気になります。ひとまず、前のゴミ袋に戻してほしいものです。

投稿: 匿名 | 2021年2月14日 (日) 12:13

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