水道広域連携への参画について@江田島市
くもりのち晴れ
2月10日に開催された令和3年第1回全員協議会で、企業局から議会に対して昨年11月30日開催の全員協議会後の状況説明がなされました。
現在は県工水(工業用水、浄化前の水)を海底導水管で前早世浄水場で受け入れ、浄水してから江田島市内に配水しています。
県が示す水道広域連携推進方針(令和2年6月)では、江田島市の5浄水場(前早世、鹿川、切串、奥小路、大原)を休廃止し、呉市宮原浄水場で浄水された県用水(浄化した飲み水)を県海底管を通じて江田島市へ送水することになっています。
市企業局としては、工業用水から県用水への変更は、ほとんどの地域を県用水で賄うことになり、県用水の依存度が非常に高くなる(約89%)ことから、危機管理や事業経営の面から影響が大きく懸念されると判断し、県に対して以下のことを要望した。
★現在は、江田島市が所有する工業用水を天応から前早世浄水場に引く海底管と県が所有する県宮原浄水場からの用水用の県海底管がある。前早世浄水場を休廃止すると、用水用の海底管1本となり事故等が発生し用水が送り込まれなくなると江田島市内の広範囲で断水となる。
【江田島市の要望】
(1)県用水管のループ化・二重化 (2)緊急時における可搬式浄水処理装置の配備 |
★江田島市では平成18年(2006)送水管トンネル崩落事故(→新聞記事)、平成30年(2018)7月豪雨災害に伴う送水管への土砂流入(→新聞記事)による2回の長期断水を経験しており、水道水のバックアップ機能はとても重要なポイントです。
尚、県は2回の送水管トンネル事故があったため、太田川からの送水ルートのバックアップ機能として、二期トンネルを整備しており、令和4年度(2022)完成する予定です。(→新聞記事)
令和3年1月に広島県から新たな海底管の二重化など危機管理リスクに大幅な軽減となる回答を得られたため、江田島市としては令和5年度(2023)からの県内広域連携を目指す企業団設立準会組織へ参画することとし、令和3年度当初予算に関連費用を計上する。
【変更点】
(1)4浄水場(鹿川・切串・奥小路・大原)は休廃止。前早世浄水場は、県海底管の二重化の整備完了までは従来どおり使用する。 (2)県海底管を新規に整備(海底管の二重化=2本目を整備) (3)江田島市内に可搬式浄水処理装置を1機配備。 |
企業局から説明のあと、質疑応答がなされました。
Q.1 呉市から江田島市への県海底管の二重化はいつになるのか?
A.1 まだわからない。(令和5年の企業団設立以降か?)
Q.2 県への正式な参加表明はいつか。
A.2 今日の議会説明を経て(最終の検討して)令和3年3月中になります。
私はQ.2のあと次の要旨を伝えさせていただきました。
現在、『統合以外の連携』を表明した広島市(坂町、府中町に配水)、福山市、呉市、尾道市、大竹市の人口は広島県の約75%(令和3年1月1日の人口)であり、また、日本製鉄瀬戸内製鉄所の呉が廃止になったら県の太田川東部第1期工業用水道事業 は2027年には資金ショートするという新聞報道(→こちら)もあり、財政的に不透明である。
自 治 体 | 人 口 | 割 合 |
広島県 | 2,792,009人 | 100.0% |
広島市 | 1,198,224人 | 42.9% |
府中町 | 5,1075人 | 1.8% |
坂町 | 1,2661人 | 0.5% |
福山市 | 459,741人 | 16.5% |
呉市 | 212,554人 | 7.6% |
尾道市 | 130,264人 | 4.7% |
大竹市 | 26,462人 | 0.9% |
不参加の市町(合計) | 2,090,981人 | 74.9% |
この状況で企業団の水道事業運営は不透明なところもあるが、合併後、江田島市の水道事業に従事する職員は合併時28人であったものが今は13人となっており、人員(技術系)の確保が厳しい状況である。また、老朽化施設更新にも多大な費用がかかり、広域化に参画することによって江田島市の費用負担が減少することを考慮すると企業団に参加することには賛成。
呉市宮原浄水場からの用水を受けるということもあり、呉市との独自の連携も検討してください。また、企業団がスタートした時、水道事業に従事する方々には江田島市の地域事情にも精通していただけるようお願いしたい。
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