江田島市の課題2020-上
晴れ
中国新聞が11月1日告示、11月8日投開票の市長選を前に、江田島市の課題について今日から連載特集を組んでいます。
(前回)2016年(平成28)の特集
2016年10月18日 江田島市の課題-上
2016年10月19日 江田島市の課題-中
2016年10月20日 江田島市の課題-下
現在の江田島市を構成する市域は、1947年(昭和22)の国勢調査でピークを迎えた人口も減少傾向に転じ、それ以来、人口減少に歯止めがかかっていません。
ピーク時6万3560人であった人口も2020年(令和2)10月1日現在で2万2489人(日本人2万1783人、外国人706人)となり、73年間で実に64.6%の減少です。旧町時代から過疎化対策に取り組んだと思いますが、近年も年間約500人減少という数字は脅威を禁じえません。
また、高齢化率も深刻で、44.02%であり、日本人市民のみでは45.36%と100人のうち45人が65歳以上ということになります。高齢者9899人のうち外国人市民は9人であり、これから外国人市民が増加するなかで行政の役割も課題の一つと言えます。(参考→2020.10.10外国人市民の対応~新法相の考え)
今回は観光振興について取り上げています。合併当初、定住移住政策を図りつつも特効薬・即効薬が見つからず、まずは、交流人口を増やすことで江田島市の良さを知っていただこうという政策をとってきました。
第2次総合計画(平成27-令和6)では交流人口(総観光客数=市民+市外)の目標を倍増(54万人から100万人)に設定し、その一端として体験型観光の推進を掲げ、民泊型修学旅行の受け入れを開始。市職員の頑張り、そして市民による受け入れ家庭の協力のもと、これまで一定の成果を上げています。
(参考)民泊型修学旅行のあゆみ
2011年 7月18日 民泊講演会
2011年 7月28日 民泊モニターツアー
2012年 1月28日 民泊~江田島の可能性について
2012年 1月25日 江田島と大崎上島の民泊
2012年 2月29日 広島県も民泊支援
2012年10月17日 民泊 第一陣
2013年 6月 6日 3会議と民泊受け入れサポート
2014年 5月23日 民泊受け入れ3年目スタート
2015年 1月17日 民泊事業も順調に
2016年 4月27日 民泊事業、民間活力の利用促進を急げ
2017年 1月17日 民泊、過去最多を更新
2018年 3月29日 H29年度 民泊型修学旅行、過去最高を更新
2019年 5月15日 民泊型修学旅行、8年目に突入
2020年 4月19日 民泊修学旅行も見合わせ
しかし、交流人口100万人という大目標を達成するには、大型宿泊施設という問題が大きくのしかかっています。かつて江田島市にも『かんぽの宿』がありました。
小泉純一郎首相の郵政民営化路線により、当時は郵政公社(2003~2007年、平成15~平成19)でしたが、江田島市能美町中町にあった『かんぽの宿安芸能美(安芸能美簡易保険保養センター)』は2006年(平成18)年 3 月末 に大幅な赤字を理由に他の7施設と一緒に廃止になりました。
大型宿泊施設としては能美海上ロッジのみとなりましたが、赤字体質であったサンビーチおきみとシーサーサイド温泉のうみの3点セットについて、市直営では立ち行かないと判断し、指定管理者制度(指定管理料年間約1000万円)を活用して休暇村サービスに運営を任せることで対応しました。
老朽化した能美海上ロッジの建替えについて検討しているさなか、2016年(平成28)4月の熊本地震により、非耐震施設である能美海上ロッジの運営を続けることができないとした休暇村サービスの判断により休館となりました。
その後、休暇村サービスが撤退することになり、シーサイド温泉のうみは地元企業(大柿産業)の指定管理運営となったが、新ホテル建設に包含さえれることになり解体。また、サンビーチおきみは地元企業(大柿産業)の指定管理となって新たなホテル、Uminos Spa & Resortとして2019(令和1)年7月からスタートしました。(→参考)
2014年 4月24日 能美海上ロッジのゆくえ
2015年 3月31日 能美海上ロッジ等整備検討委員会の提言について
2015年 6月24日 能美海上ロッジのゆくえ~資金面に課題
2015年 6月26日 能美海上ロッジのゆくえ~PFIの研究
2015年 6月30日 能美海上ロッジのゆくえ~リース方式の研究
2016年 8月24日 能美海上ロッジ、H29年4月から休館へ
2016年 9月17日 知恵と工夫による賑わいの場を
2018年 9月 1日 休暇村サービスの指定管理撤退問題(1)
2018年 9月 9日 休暇村サービスの指定管理撤退問題(2)
その後、能美海上ロッジに替わる新ホテルを模索する中で、20年間の営業を条件として民間企業に補助金5億円を用意し、プロポーザルを実施。いったん決まった企業群が資金調達等の困難を理由に頓挫しました。
5億円の補助について、いまでも市民の皆様や一部議員からの疑問の声を聞きますが、補助金に関する市の考えを文書質問で確認しましたのでご参考ください。(江田島市新ホテル等整備事業について→文書質問・答弁)
2017年 4月28日 魅力ある宿泊観光関連施設の公募はじまる
2017年 8月23日 魅力ある宿泊観光関連施設の整備事業者、決定
2018年 2月 6日 魅力ある宿泊観光関連施設の整備事業者、辞退
2018年 2月 6日 H30年第1回全員協議会 その2
2018年 2月 8日 能美ロッジ代替施設のゆくえ~市長インタビュー
2018年 2月10日 市長から市民へのメッセージ~受託者辞退について
2018年 2月19日 魅力ある宿泊観光関連施設の整備事業、公募見直し案
2018年 3月23日 観光宿泊施設整備、事業者撤退の振り返り
2018年 4月29日 能美海上ロッジ辞退者との最終精算
新ホテル整備については紆余曲折がありましたが、結果として第2次プロポーザルを実施し、ようやく候補者が決まりました。当初は2021年(令和3年)3月とされていた開業については4カ月遅れの7月になると令和2年2月に代表者から議会へ説明がありました。
当初は施設コンセプト案にプロポーザル段階ではなかった温泉棟を取り入れたものとしたが、建設コストの増大により建屋を5階建てから4階建てに変更し、客室を減らしたり、宿泊者専用の大浴場整備を取りやめることで費用を圧縮。設計変更・建築確認申請手続き等の理由により開業が遅れるというものでした。
2019年 3月25日 H31年第4回全員協議会(新ホテル、岸根開発)
2019年 4月23日 新ホテル等整備、事業者と協定
2020年 3月18日 新ホテルの開業遅れについて
本日、営業開設準備をしている子会社、㈱ 波風(なみ)が食材や体験、人材など島の魅力を募集するための説明会を開きました。新規開業宿泊・温泉施設『海風のリゾート江田島(仮称)』の名称は『江田島荘』となるようです。
新型コロナウイルス感染症が出現するまで、江田島市の政策は観光産業に軸足を移してきました。観光産業の育成により『雇用の場の創出』そして、交流人口を増やし、江田島市を知ってもらうことで定住移住への足掛かりを模索し、また、インバウンド誘致も視野に岸根開発に1千万円の調査費を支出しましたが、コロナ禍で冷や水を浴びせられた格好になりました。
コロナ禍により、いまどうなっているか分からない岸根開発、また、体験型修学旅行や体験型観光戦略チーム一歩による『えたじまものがたり博覧会(えもはく)』が延期となるなか、afterコロナに向けた新ホテル開業を一つの起爆剤として、マイクロツーリズム(近場旅行)の波に乗ることができるか正念場を迎えています。
ぜひとも行政、市民、地元企業が一丸となったチーム江田島で『恵多き宝の島、えたじま』を盛り上げていきたい。
(追記)えたじまものがたり博覧会に関するプレスリリース(令和2年10月23日)→こちら
2017年 5月15日 地域おこし協力隊募集~ 観光仕掛人
2018年11月27日 H30年第11全員協議会と議運(H30.11.27)
2018年11月29日 岸根(がんね)に注目
2019年 2月 1日 岸根(がんね)に体験型宿泊施設を誘致へ
2019年 3月25日 H31年第4回全員協議会(新ホテル、岸根開発)
2019年10月 9日 岸根開発のゆくえ(R1.10.9)
2019年11月26日 R1年第10回全員協議会
2019年12月 5日 江田島市岸根における開発可能性調査事業委託業務に係る調査結果報告書の内容について(市HP、説明資料、施設イメージ図)
2019年12月10日 岸根における開発可能性調査委託業務について(角増議員の一般質問(動画))
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