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2020年8月27日 (木)

オリーブ振興事業@半島振興

晴れ

 8月25日に開催された第8回全員協議会(→2020.8.25)で説明のあった深江地区オリーブ園について(→資料)、質疑の場で2点について発言しました。

(1)江田島市オリーブ園の使用について
 オリーブ振興計画を議会に提案したとき、企業参入については下記に示す3つの条件とすることの説明があった。(→H22.12.16産業建設常任委員会資料抜粋

 江田島市オリーブ園設置及び管理条例施行規則の一部改正は8月になされ、深江地区オリーブ園の利用許可変更(市外に本社を置く企業であっても容認する)されたが、これについては市民が納得できる説明がいる。

※本来、7月14日に江田島オリーブ㈱からの請願書を受けて、条例施行規則の一部改正をする前に、議会側に説明すべきだったのではと思います。

参入条件
①市内にオリーブの会社を新たに設立すること
②新設する会社に地元企業の出資があり、かつ、経営に参画できるよう執行役員に加えること
③市内での雇用促進を図ること

(2)原状回復義務の見直し(必要に応じて免除)
 平成22年当時、オリーブ振興事業に疑問を感じた議員(参考→2010.12.3どうなるオリーブ構想)からは、農業団地造成したとしても、企業が撤退した場合どうなるのか、との質問があった。当時の執行部からはオリーブの成木は高価であり、撤退した場合を想定して担保設定も検討するとあった。

 このたび、撤退しようとする企業が新たに乗り出す企業へ植栽された木を譲渡(有償無償問わず)等により事業継承する場合など、必要に応じて免除する方針に変更することは望ましい。

(1)について、なぜ、市外に本社を置く企業であっても容認するのかという合理的な理由が必要になってくる。平成19年、当時の(農)山本倶楽部が江田島市が所有する土地でオリーブ栽培を提案した。(→H22.12.16参考資料

 市としてはオリーブ園造成(土地改良事業)をするにあたって、提案企業(山本倶楽部等)が市外のため、江田島市は団地利用(参入)の条件として3条件を付して推進することを決定した。(土地改良事業計画→H23.2.33全協資料

 行政としても2億を超える投資について、市民や議会への説明として、地元企業への支援という『錦の御旗』が必要であった。

2020825fuke_olivezenkyo  左は8月25日の第8回全員協議会の資料からの抜粋。深江地区オリーブ園造成に関する投資額は合計で2億6289万3750円となっています。

 大型投資案件のため、オリーブ園造成(土地改良事業計画)について、当初から市民の疑問の声が上がっていました。

 事業費の負担割合(国50%、県15%、市35%)の説明が十分に浸透しておらず、投資総額が独り歩きして市民からの不満の声を受けました。

 執行部に対して、広報で丁寧な説明をお願いし、ようやく『広報えたじま平成252月号』に掲載されました。(こちら

 また、江田島オリーブ㈱は本社を江田島市内に置いているが、母体企業が呉市にあるため、市民からは江田島市のためになるのかという声も多く聞きました。

 このようなことから、このたびの江田島市オリーブ園設置及び管理条例施行規則の一部改正や条例改正については市民が納得する理由(根拠)が求められる。これまでオリーブ振興を支えてきたこと、そして、今後もオリーブ振興事業を推進していくためには山本倶楽部の存在・役割はとても重要です。

 施行規則や条例改正について抵抗感が無くなる手立てはないか、ということになるが、半島振興法の枠組みで呉市との連携強化を検討できないだろうか。

 以前にも書きましたが、江田島・能美島(江田島市)と倉橋島(呉市)は半島振興法に指定された地域(江能倉橋島地域半島)であり、法に基づいて広島県が策定した江能倉橋島地域半島振興計画、そして各市が呉市半島地域産業振興計画江田島市産業振興促進計画を策定しています。(→2020.8.18半島地域の連携を考える

 半島振興法第9条の2第1項には、半島地域市町村は『単独で又は共同』して『産業振興促進計画』を策定し主務大臣の認定を申請することができる、とある。呉市の一部である倉橋島(音戸町、倉橋町)だが、江能倉橋島地域半島としてのエリアを活性化させるため、両市が共同で産業振興促進計画を検討することはできないか。

 将来的に共同で計画を策定し、歩調を合わせて半島地域を活性化させることを目標とするのであれば、条例改正や施行規則改正について市民の理解も得られるのではないだろうか。

 産業振興推進計画には、計画区域、当該区域内において振興すべき業種、計画の目標等を掲載し、産業の振興を促進するために特に重要と認められるものとして、次に掲げる事項を記載することができます。(半島振興法第9条の2第4項)

1 当該半島地域市町村の区域において生産された農林水産物の販売、当該農林水産物の利用の促進その他の当該半島地域市町村における農林水産業の振興に資する事業に関する事項

2 当該半島地域市町村の区域における企業の立地の促進工業生産設備の新増設、商品の販売又は役務の提供の促進、高度な知識又は技術を有する人材の育成その他の当該半島地域市町村における商工業の振興に資する事業に関する事項

情報通信技術の活用による役務の提供の促進その他の情報通信業の振興に資する事業に関する事項

4 当該半島地域市町村の区域の観光資源を活用した観光旅客の来訪及び滞在の促進その他の当該半島地域市町村における観光の振興に資する事業に関する事項

 農業分野では、オリーブに関しては、山本倶楽部は倉橋島でもオリーブ栽培に取り組んでおり、また、江田島オリーブを引き継いで江田島市内で深江地区オリーブ園以外にも大柿町大原地区、大君地区に圃場を有している。(→参考

 旧大君小学校と港湾施設を活用した(→こちら江田島オリーブファクトリーは島内外で人気のレストランであり、かつ、お土産ショップとして認知されている。

 オリーブ冠では世界フィギュア選手権(→こちら)、NHK杯フィギュアスケート(→こちら)やひろしま男子駅伝(→こちら)で採用られ、オリーブオイルは世界のコンテストで2年連続受賞(→2019伊2020米)しており、江田島産オリーブオイルを世に広めている。すでに江能倉橋島地域半島は『オリーブ半島』として動いている。

 漁業分野では、カキ生産量は倉橋島と江田島市の『半島地域産』は断トツの1位だろうし、また、カキ以外の漁獲高では県内60%を超えるシェアを持つことになります。(→2018年魚種別漁獲高.xls)水産業のブランド化においても『半島地域』で協力していく体制を整えることも大切です。

 農水産業以外の分野も含め、県が策定した『江能倉橋島地域半島計画』に沿った産業振興促進計画を両市が共同で策定し、振興策を実施することで『半島地域の一体感』が生まれるのではないだろうか。

 呉市との連携について、特命担当職員(幹部級)の外部からの登用、若しくは二人目の副市長を任命することも良いのではないかと考える。(参考→地方創生人材支援制度

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