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2020年3月20日 (金)

江田島市の民俗文化財継承事業2020

晴れ

20200304_minzoku_culture  令和2年度当初予算において教育委員会の新規事業として民俗文化財継承事業(135万円)があります。

 このたびは300年に渡り続いてきた宮島管弦祭高田御供御用船行事(能美町高田)と宮島管弦祭田頭家大提灯献灯行事(江田島町幸ノ浦)が経費や人材等の諸要因により10年以上もの間、休止状態にある中、これらの伝統無形文化財を後世に伝えるため、地元保存会に対して関係備品の再整備に伴う補助を行う。

 予算審査特委・文教厚生分科会(3月4日)において『新規事業「民族文化材継承事業」に係る補助金支出が政教分離の原則(憲法第20条)へ抵触しないか』との質疑があり、このことについて、3月11日付の教育委員会・教育次長名による予算審査特別委員会委員長宛の回答書における回答及び理由は以下のとおり。

回答
 政教分離の原則には抵触しない。

理由
 「民俗文化財継承事業」における補助金の支出を予定している団体は、「高田御供御用船保存会」と「管弦祭大提灯幸ノ浦保存会」の2団体です。

 日本国憲法第20条及び第89条における政教分離の原則は、「公の宗教的活動」や「公金の宗教上の組織若しくは団体の使用」等を禁じているものですが、補助金を支出予定の2団体は、民俗文化財を保護・保存していくための団体であり、宗教団体ではないことから、補助金の支出は政教分離の原則に抵触するものではありません。

 また、当該案件については、広島県教育委員会事務局文化財課へも照会を行い、「文化財の保存を目的としているのであれば問題ない。」という回答も得ております。

200320ethnic-cultural-property_etajima  左は江田島市教育委員会が平成19年1月に発刊した『江田島市の文化財』に掲載されているものです。江田島市内の夏と秋の風物詩としての『信仰行事』。

 この平成19年度版によると江田島市の指定民俗文化財は『田頭家大提灯献灯行事』で、旧江田島町のとき昭和56年6月に指定されています。

 それ以外の民俗文化財としては、江田島八幡宮祭礼神楽(江田島町中央)、大歳神社祭礼神楽(江田島町切串)、八幡神社祭礼神楽(能美町中町)、宮島管弦祭御供御用船(能美町高田)が記述されています。

 令和2年度には民俗文化の継承という名目で135万円を保存会に補助金を支出することになりますが、関係備品の整備に伴う補助となっている。

 また、10年以上休止状態である行事を復活する前提での補助金支出であり、2つの行事が無事開催されることを願っています。

 江田島市内では大小さまざまな神社・お寺があります。かつて賑わいを見せていた地域の行事も人口減少及び少子高齢化により、担い手不足や資金不足により衰退の過程へと向かっています。

 今後、どのように文化伝統の継承を推進していくのか、また、江田島市の文化財の在り方について教育委員会は方針を示す必要がある。(参考:江田島市文化財保護条例

 特に、民俗文化材継承の名目で補助金交付する前例を作ったわけですが、補助金交付に関する明確な基準が必要であるのは言うまでもない。(獅子舞後継者育成に関する補助金を適法とした例:さいたま市文化財保存事業補助金に関する住民監査請求

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