水道広域連携について2020
晴れ
広島県における水道事業広域連携の進め方について市HPで資料が公開されました。(→市HP)現在のスケジュールとしては令和2年6月に方針が示され、これについて令和3年3月までに各市町が十分検討・議論を行い賛同の可否判断をする。その後、賛同した市町・県が令和3年4月に基本協定を締結し、令和4年11月に企業団が設立され、令和5年度から事業開始ということになっています。
実施プロセスとしては、企業団のもと、事業を一体的に運営し、全体最適による効率化を目指すもの。ただし、事業間の格差があることを踏まえ、事業ごとに区分経理し、水道料金で費用が賄えない場合は、当該構成団体が負担、料金は市町・県別料金を維持する。
広域化した場合、10年間交付される国交付金を活用した施設の最適化等に取り組み、事業者間の格差を縮小し、実績と経営見通しを検証し、会計一本化と料金統一の可能性について改めて検討するもので、当面(広域化されて10年程度)、江田島市は広島県内で一番高い水道料金であることが分かります。
平成の合併時に、呉市になった音戸町・倉橋町はそれまで高かった水道料金が安くなりました。(参考→6合併協議会の第5回合同会議資料P74、抜粋資料)広島県全域の水道事業となるのであれば、県内同一料金体系であることが望ましく、このことについて何らかの手立てがないものか検討してほしい。
尚、2月定例会で酒永議員が「水道広域連携について」一般質問されていますので、市HPで録画配信がなされたら一度ご覧ください。今後の流れについて分かりやすい議論になっています。
広域化の基本的な枠組み
○ 県全域を範囲とし,経営組織を一元化する「統合」が適当 ・ 規模の経済が最大限発揮でき,全体最適による事業全般の効率化が可能 ・ 県内において等しくサービスを享受できる水道の実現が可能 ・ 統合のインセンティブとして有利な国交付金の活用が可能(施設の再編整備に要する経費の1/3 のほか,耐震化等に要する経費の1/3 が交付) ・ 市町間の料金格差解消に向けた検討が可能(現在の試算では,県平均で料金を統一すると,一部市町で,単独経営を維持した場合に比べ,料金が高くなることが見込まれるため,まずは市町別料金を維持して統合し,市町間の格差を縮小していくことが適当) ○ 統合の受皿は,市町と県で構成する「企業団」が適当 ・ 全体最適による効率的な事業運営が可能 ・ 市町が引き続き,水道経営に一定の関与が可能 *企業団:地方公営企業の経営に関する事務を共同処理する一部事務組合 |
広域化による江田島市を取りまく「太田川エリア」の最適化の取組が図示されております。江田島市にある5浄水場(前早世浄水場等)と県宮原浄水場を休廃止し、呉市宮原浄水場に集約します。現在は、県の原水が海底導水管を経由し、前早世浄水場で浄化したのちに飲料水として供給されていますが、統合後は上水を呉宮原浄水場から供給されることになります。
原水用の海底導水管は老朽化しているため、5年ごとに外観を潜水士による視認、内管をカメラで確認、管厚調査を行なっており、直近の平成28年検査では良好と診断されています。(参考→2020.1.23、H30予算委(産業建設))
海底導水管の更新には12億円の費用がかかると言われており、江田島市の水道事業が単独であれば、国交付金5億円、江田島市負担7億円。一方、水道広域化となった場合は、国交付金6億4000万円、江田島市負担5億6000万円と市の負担額が1億4000万円減ることになります。(呉市宮原浄水場からの上水用海底導水管での水道水供給となるため、更新した導水管はバックアップ機能という性質を持つ。)
早ければ令和3年3月には広域化への参加の可否を判断しなければならず、議会だけでなく、市民間での議論も必要になってくるでしょう。そのためには市民に分かりやすく説明していただくことも必要であり、民意を反映して最終的な判断を行ってほしい。
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