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2020年2月 7日 (金)

日鉄日新、呉製鉄所を閉鎖へ

 午後、ショッキングなニュースが飛び込んできました。日本製鉄が今年4月に吸収合併する子会社の日鉄日新製鋼・呉製鉄所を2023年9月末に2基の高炉を含むすべての設備を閉鎖するというものです。(視聴期間限定→NHKニュース

 1月末に呉製鉄所の全高炉休止検討のニュースが出たばかりですが、まさか、一週間後に衝撃的なプレスリリース(日本製鉄HP→こちら)があるとは思いませんでした。

2020.1.31 日鉄日新、呉製鉄所の全高炉、休止検討 その1
2020.2. 1 日鉄日新、呉製鉄所の全高炉、休止検討 その2

 日本製鉄は2019年度決算において単独営業損益が1300億円の大幅な赤字に陥るとともに、子会社も含めた減損等で4900億円の損失を計上する見通し。

 また、足元の厳しい経営環境に加えて、中長期的には、国内市場は高齢化・人口減少による建設需要やユーザーの海外現地生産拡大等に伴う需要の減少が見込まれ、過剰生産に陥る。設備面で老朽化した事業所を中心にリストラクチャリングすることで生産能力の削減による収益改善などを図る。

200207nittetsu_nissin_kure  折しも本日の中国新聞に広島県中小企業同友会・呉支部が加盟420社に高炉休止になった場合の影響などについて緊急アンケートをした結果の記事が出たところです。回答した133社の36.1%に当たる48社が高炉休止により売り上げに影響があるとの結果が出ています。

 日本製鉄によると、呉製鉄所で働く従業員約1000人については配置転換を行って雇用を維持し、協力会社の従業員約2300人に対しても雇用の確保に最大限取り組むということである。ただ、配置転換や協力会社の仕事減などにより人口が減少する可能性もあり、呉市および近隣市町にも経済等に影響が出てくるものと思われます。

 江田島市においても製鉄所及び関係会社、協力会社で働く人や製鉄所関連との取引のある企業もあるでしょう。行政としても呉市等との緊密な連携をとって影響を最小限に抑えていくことが大切です。雇用の場が少ない江田島市にとって、広島市や呉市は通勤圏内であり、このエリアの企業が元気であることが江田島市の人口減少対策にとって大切な要素です。

(追記)2020.2.8

一夜明けての地元紙の記事を追加します。

200208nissin_g1 200208nissin_g2 200208nissin_kure3  左から1面、7面、9面。日本製鉄が子会社、日新日鉄製鋼の呉製鉄所の全ての生産設備を2023(令和5)年9月末をめどに休止し、閉鎖することの理由などを説明しています。

 かつて、『鉄は国家なり』という言葉がありました。現在は世界的に鉄鋼業界の熾烈な競争があるなかで、官営八幡製鉄所を発祥とする日本製鉄(2019年版業界地図における粗鋼生産量で国内1位、世界3位)はこのたびの決定を下したことになります。

 200208nissin_kure1 200208nissin_kure2 左は呉製鉄所で働く社員、協力会社(社員含む)、市民の声を伝えています。

 1903年(明治36)に海軍工廠が呉に開設されてよりの歴史ある製鉄所が幕を閉じることは想像もつかないことであり、呉市を中心とした江田島市を含む周辺地域にとって大きな影響があります。

※日本製鉄の発祥である、官営八幡製鉄所が操業開始したのは1901年(明治34年)です。

(追記)2020.2.9
200209nittesu_nissin_kure 2/9の中国新聞記、日鉄日新製鋼・呉製鉄所に関する『製鉄所閉鎖へ-下』。

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