R2年第1回全員協議会
晴れ
午後から全員協議会が開催され、2月定例会に上程予定の案件も含め執行部からの説明がありました。
(1) 地方公共団体の長等の損害賠償の責任の見直しについて
議会運営委員会(→2019.1.17、説明資料)で説明され、今回は議員全員への説明でしたが質疑はありませんでした。内容としては、以下の通り。
平成29年6月9日に公布された地方自治法等の一部を改正する法律のうち、令和2年4月1日施行されるものとして、『長等の損害賠償の一部免責』については、『善意でかつ重大な過失』がないときには、長等が賠償の責任を負う額から職責その他の事情を考慮して政令で定める基準を参酌(照らしあわせて参考にすること)して、政令で定める額以上で当該条例で定める額を控除して得た額について免れる旨を定めることができることになり、2月定例会に条例案を提出する。(参考→総務省資料P20以降、横浜市議会法制情報)
長等への損害賠償額について、『善意でかつ重大な過失』がない場合は賠償額の上限を定める条例ということです。法改正の背景としては、住民訴訟制度では、長等に重大な過失がない場合においても、因果関係のある損害の全額について責任を追及されることになっており、長等が大きな心理的負担をいだき、職務の執行における萎縮や政策判断に対する過度の消極化、『ことなかれ主義』に陥ることを防止する観点からの制度創設です。
政令における参酌基準及び責任の最低額(条例案は参酌基準と同様)
職名 | 市長 | 副市長、教育長、教育委員会の委員、選挙管理委員会の委員 | 公平委員会の委員、監査委員、農業委員会の委員、固定資産評価審査委員会の委員、消防庁長、公営企業の管理者 | 職員 |
責任最低額を算出する給与の年額に乗ずる年数 | 6年 | 4年 | 2年 | 1年 |
【免除の例】
給与の年額が1000万円の市長で、賠償の責任を負う額が2億円の場合。(善意かつ重大な過失がないことが前提)
賠償責任の上限額 1000万円x6年=6000万円
賠償責任を免れる額 2億円-6000万円=1億4000万円
※江田島市の特別職(市長、副市長、教育長)の給与は、条例で給料、通勤手当及び期末手当と規定されています。
市長 | 副市長 | 教育長 | |
給料月額 | 820,000円 | 700,000円 | 600,000円 |
期末手当(R1年度) | 4.50月 | 4.50月 | 4.50月 |
給与年額(αは通勤手当) | 1353万円+α | 1155万円+α | 990万円+α |
賠償責任上限額 | 8118万円+6α | 4620万円+4α | 3960万円+4α |
【必要な手続き】
市長は、当該損害賠償を免れたことを知ったとき(訴訟判決が確定したとき)は、その原因となった事実、賠償の責任を負う額、賠償の責任を免れた額等を議会に報告するとともに、当該事項を公表することとされる。
尚、当該条例の議決に際しては、議会において事前に監査委員に意見聴取しなければならないとされています。
【参考】改正法による改正後の地方自治法抜粋
(普通地方公共団体の長等の損害賠償責任の一部免責) 第243条の2 普通地方公共団体は、条例で、当該普通地方公共団体の長若しくは委員会の委員若しくは委員又は当該普通地方公共団体の職員(次条第3項の規定による賠償の命令の対象者となる者を除く。以下この項によいて「普通地方公共団体の長等」という。)の当該普通地方公共団体に対する損害を賠償する責任を、普通地方公共団体の長等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、普通地方公共団体の長等が賠償の責任を負う額から、普通地方公共団体の長等の職責その他の事情を考慮して政令で定める基準を参酌して、政令で定める額以上で当該条例で定める額を控除して得た額について免れる旨を定めることができる。 2 普通地方公共団体の議会は、前項の条例の制定又は改廃に関する議決をしようとするときは、あらかじめ監査委員の意見を聴かなければならない。 3 前項の規定による意見の決定は、監査委員の合議によるものとする。 |
(2)新市建設計画の延長について
東日本大震災の発生後における合併市町村の実情を鑑み、平成24年に引き続き、平成30年の法改正により、合併特例債の発行期限が再延長されました。(参考:合併特例債の再延長→2018.4.24)
このことにより、引き続き、財政的に有利な合併特例債を有効に活用できる環境を整えるために新市建設計画の計画期間変調を図るもの。(参考:市HP新市建設計画)
(3) 中町/宇品航路に係る指定管理者のモニタリングについて
平成27年10月1日から指定管理者(瀬戸内シーライン㈱)が運航している中町/宇品航路について1年間の運航状況のモニタリング結果について説明がありました。
5年の指定管理期間ですが、4年目の収支結果は経常損益2015万円の赤字となりました。すでに次期5年間の指定管理者公募についての説明がありましたが、健全な航路運営となるための運航条件等の変更が求められることになります。
【過去ブログ】
中町/宇品航路の指定管理者募集について(→2019.12.19)
中町/宇品航路の指定管理者募集について(その2)(→2019.12.24)
(4)令和2年度国民健康保険税の税率改正について
平成30年から開始された国民健康保険の広域化(→広島県HP、2017.8.28)ですが、平成31(令和1)年度税率改正の計画に基づき、事業費納付金を満たすように税率改正することになります。この度の改正案では税率は一人当たり1507円(前年度比1.1%)の増額になります。
(5) 江田島市森林環境譲与税基金について
平成31年4月1日の「森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律」が施行され、令和元年度から『森林環境譲与税』が国から譲与されます。
この財源の円滑な運用を行い、有効に活用するため、「江田島市森林環境譲与税基金」を新たに設置することになります。
(6) 江田島市鳥獣被害対策実施隊の報酬について
平成20年に設置された実施隊の年額報酬について、有害鳥獣捕獲班長会議から増額要望があったため、令和2年4月1日から6万円/年から7万円/年に増額する予定。県における最低賃金の上昇率も考慮してのこと。(広島県の最低賃金:平成20年 683円/時間、令和元年 871円/時間 12年で約1.27倍)
(7) オリーブ振興計画の変更について
平成28年11月に策定された「オリーブ振興計画」(期間:平成28年度~令和6年度)ですが、中間年である令和元年度に計画の見直しを行うことにより一部変更するもの。
今後のスケジュールとして、令和2年2月中旬~3月中旬までパブリックコメントを行う予定です。参考までに、見直しを踏まえて文書質問しています。(→R1.11.18オリーブ振興事業と今後の方向性について)
(8) 江田島市豪雨による流入土砂等撤去補助金の申請及び実施期限の延長について
平成30年7月豪雨の復興支援として令和元年度まで期限を延長し、対象地域をがけ地まで拡充したが、業者不足等の理由により、期限内に工事が完了しない相談が寄せられ調査した結果、15名の申請希望があったので期間を延長するもの。
予算が議決され次第、市HP及び広報えたじまへ改正内容について掲載する予定。
(9)水道広域連携の進め方について
平成30年4月に県と市町で構成、設置された「水道広域連携協議会」で議論されてきた水道広域連携の進め方についての説明がありました。
詳細については別に記しますが、水道料金については、広域化となっても当面、市町ごとに区分経理し、市町・県別料金で運営されるとの報告がありました。
【過去ブログ】
県の水道事業統合のゆくえ2020 その1(→2020.1.21)
県の水道事業統合のゆくえ2020 その2(→2020.1.23)
県水道第2送水トンネル、完成1年延びる(→2020.2.8)
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