第7回議会改革推進特別委員会
晴れ
午前は議会改革特別推進委員会を傍聴しました。(他の傍聴者 熊倉議員)協議事項については以下の通りです。要点筆記したものであり、全て網羅していない、また、文脈が分るように加筆修正している部分や参考として過去記事も付記していることをご了承ください。最終的には、事務局の委員会議事録を読み返す必要があります。
(1)タブレット運用について
前回で確認された福岡県飯塚市議会のタブレットに関する研修報告をもとに取りまとめられました。参加委員の個別意見を付して、最終的なまとめとすることを確認。参加者の個別意見は最下段記します。
【まとめ】
本市議会では、会議でタブレット型端末を多角的に活用することによる議会運営の効率化及び会議資料等の紙媒体の削減を推進するために平成28年10月に導入し、議員に貸与している。
しかし、その活用は会議の開始通知等各種案内や資料作成に伴う内容確認などにとどまり、議員によって習熟度が異なるため会議で多角的に活用されていないのが現状であり、ペーパーレス会議には至っていない。
場合によっては紙面を使用するなど、完全ペーパーレス化ではなく状況に応じた活用方法や不慣れな議員に対し、議員同士や会派内での助け合いや継続して研修を行うとともにタブレットを活用した会議用ソフトウェアの導入を検討する必要がある。
(参考過去ブログ)H30タブレット活用あれこれ
(2)議会基本条例の検証(→条例解説付き)
前回の続きとして第10条から第17条までの各条文の確認、そして取り組み状況及び実績を事務局サイドから報告がなされ、このことについて委員間で審議し、委員会としての結論を取りまとめました。
第10条(議会の合意形成)
条文:
議会は,言論の府であることを十分に認識し,議長は,市長等に対する会議等への出席要請を必要最小限にとどめ,議員相互間の自由な討議を中心に運営しなければならない。
2 議会は,本会議及び委員会において,議員,委員会及び市長提出議案並びに市民提案に関して審議し,結論を出す場合にあっては,議員相互間の議論を尽くして合意形成に努めるものとする。
委員の意見としては以下のことが挙げられた。
・(執行部は)理由、根拠を示して討論していく。
・本会議で討議を行うことが少ない。
・委員会等で執行部が個人的な見解を述べる。
【私見】
本条文は執行部との討議ではなく、「議員間の討議」により本会議及び委員会での合意形成に努めることを規定している。
全員協議会や委員会において執行部の説明後、質疑がなされる。執行部退席後に、案件についての議員間の討議をして合意形成を図ることの取組をどうするかを議論すべき。論点を絞り込んで、第11条の政策討論会の議題とすることも検討してはどうだろう。
■検証結果:
・条文の運用は、適切にされているが、さらなる取り組みが必要。
・条文の内容を改正する必要は無い。
第11条(政策討論会)
これまで議員の提案がなかったことにより、政策討論を実施したことはない。第1項は「市政に関する重要な政策及び課題に対して、議会としての共通認識の醸成を図り、合意形成を得るため、政策討論会を開催する。」と規定。委員からは次の意見が出る。
・「政策討論会を開催する」を「政策討論会を開催できる」に変更してはどうか。
・全員協議会、議会運営委員会で用を足しているのではないか。
・全協で済ませていた。
・市政に関する重要な政策及び課題の基準も必要。
このたびは検証結果を結論付けるまでには至りませんでした。第2項に別に定めるとある政策討論会に関する基準(→こちら)についての見直しや条文改正も含めて次回の委員会で議論することになる。
【私見】
条文はあくまでも議員間の討論による合意形成であり、全員協議会で執行部から市の重要施策に関する政策などの説明後に執行部への質疑はあるが、議員間で討議し議会としての合意形成を図ったことは一度もない。
また、「開催する」としたのは重要案件については「必ずすること」との意が込められていると解す。今後の取組として、どのような案件について政策討論会を開催するかの基準・運営方法について議論することが重要。先進事例を参考にすることも検討してはどうだろう。
第12条(委員会の活動)
第3項は委員会付託の場合を想定しており、江田島市議会では予算・決算以外の議案は付託していない。
第4項の「出前講座」の申込についてHPに公開していないこともあり、実績はない。
■検証結果:
・条文の運用は、適切になされており、これまでどおり取り組む。
・条文の内容を改正する必要は無い。
【私見】
「出前講座」について申込等をHPで公開することを決めてはどうか。「議会だより」に案内を常時、掲載することも検討課題。(→出前講座の実施に関する基準)
第13条(政務活動費の執行及び公開)
議員は3人以上をもって会派を結成することができる(→会派及び会派代表者会議規程)とし、無会派(1人)は政務活動費に関しては「会派とみなす」ことになっているが、運用マニュアルでは無会派では使いにくいものになっている。現在、無会派議員が多くなっていることを考慮して、運用マニュアルの検証を行ってほしいとの意見があり、次回の検討事項とすることに。
■検証結果:
・条文の運用は、適切になされており、これまでどおり取り組む。
・条文の内容を改正する必要は無い。
第14条(議員研修の充実強化)
毎年度、広島県市議会議長会(西部ブロック)主催の研修に参加、また、H30年度には市議会として2件の研修を開いた。
■検証結果:
・条文の運用は、適切になされており、これまでどおり取り組む。
・条文の内容を改正する必要は無い。
第15条(議会事務局の体制整備)
■検証結果:
・条文の運用は、適切になされており、これまでどおり取り組む。
・条文の内容を改正する必要は無い。
第16条(議会図書室の利用)
地方自治法第100条第19項に基づいて地方議会に附置することが義務付けられている。H29年の議会棟耐震工事により3階から2階に移設。まだ書籍等を整理できていない。
■検証結果:
・条文の運用は、適切になされているが、さらなる取り組みが必要。
・条文の内容を改正する必要は無い。
【私見】
法で義務付けられているが実質は設置していないに等しい。基本条例には、「議会図書室は、議員のみならず、誰もがこれを利用できるものとする。」とあり、条文の運用は適切に運用されておらず、改善が必要である。まずは委員会で2階にある「議会図書室」の現状を確認することが肝要。
尚、呉市議会の図書室が先進的な取り組みをしており、視察することも一案であり、政策形成力の強化と合わせて検討すべき。(参考HP→①図書館が地方議会を変える ②呉市議会の議会改革のあゆみ)
第17条(議会広報の充実)
議会だよりを年4回発行し、平成31年2月定例会から議会のインターネット中継及び録画配信をしている。(→江田島市議会インターネット議会中継)
左はインターネット中継(ライブ)のアクセス件数。本会議のあった9日間で2011件(平均233件)です。委員からは録画配信のアクセス数の資料も参考までに取り寄せるよう要望がありました。
■検証結果:
・条文の運用は、適切になされており、これまでどおり取り組む。
・条文の内容を改正する必要は無い。
(3)市民アンケートについて
議会に関する市民アンケートは9/17に発送完了し、10/15までにポストに投函して頂くことになっていた。本日現在の状況は以下の通りで、クロス集計・単純集計等の分析もあり、納品は12月にずれ込む。(契約納期12月20日、議会側の当初希望11月末)
発送総数: 2000件のうち、宛先不明7件であり総数1993件
回収件数: 828件(うち属性のみの回答1件、実質有効回答827件)
回収率 : 41.4%
★6月定例会でアンケート調査委託費(議会運営事業費)171万4千円が補正予算で計上されています。(→2019.6.20)
(4)その他
・午後2時からペーパーレス会議用のタブレット・ソフトウェア会社(東京インタープレイ社)担当者が来られるので意見交換。
※午前は東広島市議訪問され、午後、江田島市議会を来訪。
・次回開催は11月29日(金)10:00から。
政務活動費マニュアルの検証、政策討論会の実施基準ほか議会基本条例の検証等。
(参考)タブレット運用についての参加者個別意見
(福岡県飯塚市議会の視察)
ア.議員の年齢構成は若い人から高齢の方までいる中で、タブレットを活用しようとする意気込みは見習うべきである。また、導入を執行部側と同時進行で整備していったことが、現在の有効活用につながっていることから、本市においても執行部に対する整備を要求し早期にタブレット体制を構築すべきである。
イ.江田島市議会では、平成28年10月から議員にタブレットを貸与しているが、本会議・委員会によるペーパーレス会議には至っていない。タブレットの活用は印刷・製本コストの削減だけでなく、職員の負担軽減、議会活動の活性化においてメリットがあるとの考えから、今後、議会改革推進特別委員会においてペーパーレス会議導入の是非について、議論を重ねていきたい。
ウ.タブレット端末の機能は更新されていくので、継続して研修が必要。
エ.タブレット端末は様々な行政資料が閲覧可能であり、災害発生時には情報を一斉送信し迅速な対応ができる。一方では、議員一人ひとりの習熟度が異なり、研修が必要な面があるため、活用方法の更なる検討が必要である。
オ.タブレット活用を進めていく上で、本来は、議員各々が活用方法を学ぶべきとは思うが、現在の状況を考えたとき飯塚市と同様に、使用者が簡単に使える工夫が必要である。
カ.ペーパーレスを推進するため、飯塚市で取り組んでいるコピー代の徴収等思い切った手法をとることにより、不慣れな方も自然に活用するのではないかと思う。
キ.本市の議員数などを考えたとき、タブレット運用で、費用対効果は多く望めないが、情報共有のスピードは、明らかに速いと思うのでうまく活用できるよう検討する必要がある。
ク.飯塚市議会会議ペーパーレス事業は、議案書・予算書案・決算書案等を業者印刷にかけた場合と、ペーパーレス化して導入費用・維持保守費用を比較してペーパーレス化したほうが圧倒的に安く上がる事が検証されている。
ただし、議員の中にはタブレットが不慣れな人もいるので、ソフトウェアの導入により、議員は画面を見ているか、指示されたボタンをタッチするだけで、会議の参加者全員が同じ画面を見られるようになり、円滑な議事進行が可能となる。不慣れな人でも操作できるソフトウェアの導入を検討する必要がある。
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