議会の動き~県外施設の視察検討
晴れ
4月20日に開催された文教厚生常任委員会で江田島市に建設中の汚染土処理施設について担当課からの説明等があったことはブログで書きました。(→H30.4.25)4月23日の議会運営委員会で文教厚生常任委員長から、京都市にある汚染土処理施設の視察を議員全員でしてはどうか、という意見がありました。
議運における結論としては、まずは文教厚生常任委員会として視察するかを決定し、委員外議員の参加希望があれば同行することを認めてはどうかというもの。
一昨年末に江田島市内で建設されている汚染土処理施設問題が顕在化し、反対協議会が設立されて、昨年5月には市内外で4万6745人(うち江田島市民1万2536人)の反対署名が集まりました。6月には江田島市議会が県知事への意見書及び市に対する決議を採択しました。(→H29.6.15)あれから一年が経とうとしています。
文教厚生常任委員会の視察についての結論がどうなるか分かりませんが、中立的な立場として、現在稼動している施設の見学だけでなく、地域住民の反対により企業が計画を断念した市町も視察することが望ましいと考えます。
参考までに、住民による汚染土処理場の反対運動があったものについて3事例を紹介します。
【1】宮城県塩釜市
事 業 者: DOWAエコシステム㈱
処理方法: 分別等処理施設
備 考: 建設現場などで出た重金属を含む汚染土壌を搬入し、セメント原料などとして送り出すため分別作業をするためのもの。
平成27年 住民説明会を開催
平成28年 2月 塩釜市議会が県知事に対する反対意見書を可決
平成28年 5月 市内の水産業関係者を中心とする市民団体「塩釜の環境を守る会」が1万人を超える反対署名を集め、県に提出
平成29年 2月 汚染土処理施設の建設計画を中止決定(→こちら)
【2】三重県紀北町
事 業 者: ソルティックジャパン
処理方法: 洗浄処理
備 考: 汚染土トンネル工事などで出る汚染土壌を運び込み、基準値を超える鉛やカドミウムなどの特定有害物質を取り除くことを目的とした施設。
平成29年 2月 建設に反対する住民団体「紀北町・船津川の水源を守る会」が、反対署名4,324人分を町長に追加提出。平成28年12月に677人分を出しており、合わせて5,001人。
平成29年 2月 三重県議会が請願『汚染土壌処理業(海山土壌処理センター)』の許可に対し慎重な判断を求めることについて』を採択。
平成29年 5月 有識者による審議会の「水源への影響が懸念される」との答申を受けて紀北町が染土壌処理施設の建設を認めないと発表。(水道水源保護条例)
平成29年 9月 事業者が町長に事業からの撤退を報告。(→こちら)
【3】千葉県鋸南町
事 業 者: 鋸南開発㈱
処理方法: 埋立処理施設
備 考: 1970年代から採石場として採石を開始したが、計画を大幅に超える深堀りしていたことが判明し、汚染土145万㎥を埋め戻しすることを計画。
平成24年 2月 鋸南開発が建設に向けた事前協議書を県に提出
鋸南開発が住民説明会開始(11月までに7回)
8月 反対派が「鋸南町の環境と子どもを守る会」結成
平成25年 4月 町議会が反対意見書を県知事に提出
12月
県が事前協議終了を町に通知(町は受け取り拒否)
平成26年 2月 鋸南開発が「施設設置届」を県に提出
4月
施設建設着工
11月 住民らが千葉地裁木更津支部に操業差し止めを求める仮処分申請
平成27年 2月 住民らが県に操業を許可しないよう求めて千葉地裁に提訴
3月 県が処理場の事前検査で「適正」と判断
5月 鋸南開発が県に操業許可を申請
平成28年 7月 千葉地裁木更津支部が操業差し止め仮処分決定(→こちら)
平成29年 2月 鋸南開発が操業の差し止めを命じた千葉地裁木更津支部の仮処分決定(H28年7月)の取り消しを求める保全異議を申し立て、受理された。
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