【まとめ】摸擬議会 in 江田島2018
くもり
今日も寒い一日でした。一昨日(2/11)、さとうみ科学館(→こちら)で開催された『摸擬議会 in 江田島2018』についてまとめてみました。
江田島市での開催は6年ぶり2回目で、主催者ひろしま創発塾として10回目の模擬議会です。(→前回)
今回はひろしま創発塾(7)、一般参加者(14)、ファシリテーター(3)、傍聴者(5)の計29人が集まりました。大柿高校の生徒3名が参加してくれたことに感謝。摸擬議会の流れは左写真の通りです。
※プロジェクターで案内したパワーポイント資料→こちら
※以下、摸擬市・摸擬市長・摸擬議員を市・市長・議員と書きます。
(1)全員協議会(議案の事前説明)
市長が議会で議決して欲しい新事業案(補正予算案)について議員全員に説明します。(→参考動画) 今回のテーマは、「どうする?さとうみワクワク科学館」。
・市長から、老朽化した現施設に替わって自然豊かな海を活用した「さとうみワクワク科学館建設工事案」が提案され、議会で可決されました。
・さあ、このリニューアルする施設を生かすも殺すも、市議会議員のあなたです!
・どんな場所に、どんな施設があれば市民だけでなく市外からご利用いただける施設になるか?
※上記の政策は,この模擬議会用に設定したフィクションです。
市長からの説明の後、総括質疑(全般的な質問)に入ります。今回は議員だけでなく、傍聴者からも質問がありました。実際の議会でも傍聴者からの質疑を受ける仕組みがあったら面白い。
・子どもたちが観察する時間帯によっては、宿泊棟が必要なのでは?
・運営費で毎年7千万円の市費負担は大きいのでは?
・現状の運営費は?利用状況は?
・建替え場所の面積はどの程度?
・移転地への大型バスのアクセスは?駐車台数の設定はどう?
・駐車場の規模は?
(2)ワークショップ(前半)
あらかじめ決められた3グループ(会派)ごとにワークショップ。市長提案に対してメリット・デメリットを話し合います。市にとって素晴らしい施設になるようアイデア出し、気づいたことなどを話し合い、模造紙に付箋を貼りながら意見集約をしていきます。
(3)議会(内)報告会
本来の議会報告会は、議会が市民の皆さんへ報告する場です。議員同士が政策について意見交換する場としては政策討論会があります。
今回は会派が市長提案について修正案を検討していることの中間報告ということで議会(内)報告会としました。
ワークショップ(前半)で会派ごとに話し合ったことを発表します。3会派とも独自のアイデアでまとめていました。
提案名称、対象者、実施者、建替場所など市長原案を修正する方向で意見が出てきました。それぞれの特色があって面白い。
(4)ワークショップ(後半)
議会内報告会で発表された他会派の中間報告も参考にしながら自分たちの会派で最終的な修正案をまとめていく作業です。
あるグループの例ですが、ワークショップ前半(左写真)でアイデア出ししたものが、ワークショップ後半(右写真)で具体的な修正案へ練り上げたことが分かります。
(5)本会議
いよいよ本会議です。左は開会前の様子ですが、みなさん、緊張しています。まず、市長提出議案の説明。全員協議会で総括質疑、そしてワークショップで自分たちの会派で修正案を構築するなかで出てきた市長原案に対する疑問点の確認質問がなされます。
その後、各会派から修正動議により、修正案が提出され、各会派から説明をします。いかに他会派を説得することができるかのプレゼン能力が問われます。(→各会派提出案(一部補足))
暫時休憩の後、各会派から提出された修正案に対する質疑がなされます。なぜ、そのような案になったのか、疑問点をぶつけていきます。問われた会派はなぜそうなったのか、質問者が納得するよう答弁に心がけます。
・なぜ、廃止された高校の校舎を利用するのか?
・タカノスはどこあるのか?
・2番じゃ駄目なの?
・ドーム型は建設コストが高くなるのでは?
などなど、これ以外にもいろんな視点から質問があり、聞かれた会派は丁寧な答弁をしていました。
質疑終了後に賛成・反対討論へ移ります。このたびは3会派それぞれ5人の15人が議員です。
過半数(8)をとって可決されるには自派以外に3人の賛同がなければ自分たちの修正案が可決されません。他会派+市長原案の反対討論というより自派のPRに終始していたのが印象的でした。
みなさんが活発に発言されていたことは、これまでの経験上初めてでした。
いよいよ採決です。ルールとして、市長原案から最も遠い修正案から採決することになります。
まず初めの修正案Bは賛成5の賛成少数で否決。修正案Aは他会派1名の賛同はあったものの賛成6の賛成少数で否決。修正案Cは賛成5の賛成少数で否決。市長原案は全会一致で否決。すべての案が否決されたことによりこのたびの案件は流れてしまいました。(→参考)
実際の議会では、このように多くの修正案が提出されることは希です。しかし、参加者の皆さんには地方議会ではこういったシステムで税金の使い道(予算)やマチのルール(条例)が決まっているということを体感して頂けたのではないでしょうか。
日々生活する中で、議会に足を運ぼうとすることはなかなか難しいと思いますが、『議会だより』を読んだり、『議会報告会』に参加することで地域の政治や課題に関心を持っていただければと思います。尚、江田島市議会では来年度、『議会中継』をスタートさせることを調整中です。(→H30.1.16)
最後に、もっとも活躍したと思われる議員を選ぶ投票の結果、MVP議員として大柿高校の生徒が選ばれました。個人的な想いとしては、この「模擬議会」が中高生の授業で採用され、若い世代が政治や地域課題に関心を持ってもらえるようになったらなぁと思っています。(→摸擬議会への思い)
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