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2017年7月18日 (火)

ドミナント・ロジックの転換を~学校統合編

雨時々くもり

 先日、平成29年度第1回定例会(2月定例会)の議事録が(→こちら)に掲載されました。議会中継(録画)があればより分かりやすいのですが、議会だよりには掲載しきれない、詳細部分を知ろうと思えば議事録を読むに限ります。

 2月定例会は市長の施政方針が示される議会であり、また、新年度予算案も上程されるので、さまざまな角度から一般質問も展開されます。

 このたびは明岳市長が就任して初めての予算編成であり、特に注目するものでした。(→H29年度施政方針

 行政課題においては、12月の所信表明でも述べられたとおり、「江田島市、そして市民にとって、何が最善かという点を、唯一の判断基準として、議会や市民の皆様と議論を尽くし、施策を進めていきたい」ということで、この点にも着目してみました。

 この2月定例会では酒永光志議員の一般質問にその一端が見受けられました。

酒永議員の質問趣旨
 同議員が昨年2月定例会の一般質問で中学校校舎の空調工事を4中学校同時にすべきという質問に対して、田中市長の答弁が『三高中学校は耐震化と併せて行なうこととし、平成29年度で実施計画、平成30年度には空調工事と併せて実施を想定する』とあったにも関わらず、平成29年度に予算計上していないことを問い質しました。

明岳市長の答弁趣旨
 学校統合検討委員会第2次答申(平成21年6月→こちら)を踏まえ、三高の子どもたちの教育環境をどうのようにしていくことが、未来ある子どもたちのためになるかを第一義(最も根本的な価値)として考えた結果、予算計上しなかったというものでした。

 その後、耐震工事の予算措置から三高中学校の統合についての議論がなされました。

 結論としては三高中学校が能美中学校と統合する目処となる新校舎が建設されて3年を過ぎており、責任を持って教育委員会と地域の皆さんに対し理解を求めていくというもの。(引き伸ばしはしない)

 つまり、統合時期に達しているので耐震化はしない、ということだと私は解釈しました。

酒永議員の一般質問に関する会議録抜粋(→PDF

※第2次答申では、三高中学校は能美中学校の新校舎建設の時期(平成25年9月完成)を目処に能美中学校に統合する。

 このたびの一般質問における市長のお考えもよく分かりますが、移住定住という観点と広島市との海生交流協定等を踏まえた新しい視点での解決策はないだろうか。

 統合ありきではなく、現に学んでいる生徒がいる中で耐震化を図り、未来への挑戦をすることも大切です。三高地区は切串地区と同じく広島市との海の玄関口(広島市に近い)であり、移住定住には小中学校という地域資源はなくてはならないもの。

 海上交通というインフラがあり、広島市の児童・生徒が船通学して三高地区の小中学校で学ぶことは出来ないだろうか。可能であれば、三高地区の児童生徒の増減推移に一喜一憂することはなくなるだろう。

 広島からも船通学で通いたい、学んでみたい(学ばせたい)学校に変わることで児童生徒数を増やすことができるのではないだろうか。

 例えば、小中一貫校という枠組みのなかで『学びの魅力づくり』に取り組むことで、将来的に『教育の島』として開花する可能性もある。(三高地区が江田島市のモデル地域になる。)

 学校統合検討委員会が第2次答申を策定した平成21年とは周辺環境も変わりました。

 広島市を核とした連携中枢都市圏(→広島広域都市圏)も形成され、また、広島市との海生交流協定(→こちら)が結ばれました。今、江田島市も市民のさまざまな活動がマスメディアに取り上げられ活気づいており、沖地区を筆頭に子育て世代の移住も増えています。

 校舎を耐震化していれば、将来的に学校統合になったとしてもリモートオフィス、シェアオフィス(→H29.7.7)など新たな活用方法もあるのではないだろうか。

 もうひとつの広島との海の玄関口である切串地区では中学校が平成21年4月に江田島中学校と統合され、耐震化されていない校舎がそのままの状態になっている。過去の答申にとらわれることなく、前向きな検討をもう一度してみる必要があると思います。

 学校統合におけるドミナント・ロジック(思い込みや既成概念)の転換で恵み多き『ワクワクできる島』えたじま、島磨きをすることで活路を見出すことができる。

※参考ブログ→白井亨・小金井市議会議員

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