移住促進としての学校給食無償化の動き
くもりのち晴れ
朝日新聞の調査によると、公立小学校や中学校の給食を無償で提供する自治体が、全国で少なくとも55市町村あり、人口1万人未満の市町村が3/4を占めるという。
開始時期は平成28年度がもっとも多く、ついで平成27年度、来春から開始予定の自治体もあります。
無償化することの目的は、過疎化の食い止めであるとか、移住者呼び込み等であり、人口減少の進む自治体が子育て環境を充実させ移住者を増やすという政策の一つです。
なお、憲法第26条で小中学校の義務教育は「無償」とし、教育基本法では、無償の対象は「授業料」となっており、学校給食法では、給食費は保護者の負担と規定しています。しかし、文科省の見解では、自治体などが食材費を負担することは禁じないとされています。(→参考P4)故に、給食費を無償化しても問題はないということになります。
ただし、無償化した自治体には、財源の確保で苦労しており、職員数や管理職手当を削減して捻出したり、新規採用抑制、公民館使用料の有料化、公立図書館の民間委託などで対応しているところもあるといいます。一方で、子どものいない世帯(高齢者世帯含む)が理解していただけるか、という点もあるでしょう。(公平性)
無償化してない自治体では、給食費の未納問題が悩みの種であり、江田島市においても同様でしょう。無償化することのメリット(?)として、子育てしやすい環境(経済的負担の軽減)になる他、給食費の未払いをめぐるトラブルが解消され、学校では集金業務から開放されるということもあります。
江田島市では、来年度予算編成に向けて、高校生の通学補助等を検討することになります。今後、定住・移住促進策として、子育て世代へのPRのため、給食費無償化について、実行可能(財源含めて)かどうか、市民に理解を得られるかどうか等、いろいろな視点から(無償化する、しないは別にして)調査研究していく必要もあるのではないでしょうか。
憲法第26条
すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
2 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。
教育基本法
(義務教育)
第5条 国民は、その保護する子に、別に法律で定めるところにより、普通教育を受けさせる義務を負う。
2 義務教育として行われる普通教育は、各個人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培い、また、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うことを目的として行われるものとする。
3 国及び地方公共団体は、義務教育の機会を保障し、その水準を確保するため、適切な役割分担及び相互の協力の下、その実施に責任を負う。
4 国又は地方公共団体の設置する学校における義務教育については、授業料を徴収しない。
学校給食法
(経費の負担)
第11条 学校給食の実施に必要な施設及び設備に要する経費並びに学校給食の運営に要する経費のうち政令で定めるものは、義務教育諸学校の設置者の負担とする。
2 前項に規定する経費以外の学校給食に要する経費(以下「学校給食費」という。)は、学校給食を受ける児童又は生徒の学校教育法第16条に規定する保護者の負担とする。
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