模擬議会@大竹市
晴れ時々くもり
今日はNPO法人ひろしま創発塾と大竹市議会の会派・大竹新公会が共催する模擬議会in大竹に参加しました。(参加人数約30人)
NPO法人ひろしま創発塾としては8回目の模擬議会であり、大竹市での開催は平成19年(2007)11月にNPO法人化前の開催以来2回目となります。(参考→第5回江田島市、第6回竹原市)
今回の大きな特徴としては高校生が参加したことにあります。地元県立高校含め5人、かつ20歳未満の大学生2名も参加しました。今年6月19日に施行される公職選挙法等の一部改正により選挙年齢が引き下げられ、満18年以上満20年未満の国民が選挙に参加することができるようになります。このような背景もあり、NPO法人から高校に参加を呼びかけして実現しました。(現場サイドとしては生徒に対して選挙制度等をどのように教えていいのか戸惑っている感じも見受けられます。)
模擬議会の流れを説明します。まず、市長が次の議会で上程する予定の提案書(左上写真)を”全員協議会”で説明し、これに対して議員が質疑をします。質疑終了後、会派(3会派)がそれぞれ別室に集まってワークショップ形式で市長提案に対して検討を行い、より良い案になるよう協議します。
協議後に各会派が”議会報告会”で中間発表を行い、これに対して質疑応答がなされます。(ある意味での政策討論会)ここでの多様な意見や気付きを整理するため、再度、会派ごとにワークショップで最終的な修正案を練ります。
いよいよ本会議が始まりました。まずは市長から提出議案について議会へ説明があり、質疑応答がなされます。暫時休憩のあと、各会派から市長原案に対する修正案が議長に提出される。各会派から修正案の説明(上写真)がなされ、これに対して活発な質疑応答のあと暫時休憩。
参考までに左が3つの会派の修正案です。各会派ともファシリテーターのコーディネートにより高校生・大学生が本物の市会議員をオブザーバーとして考えて作成したものです。(本物議員は行政用語や議会の仕組み等をフォロー) 行政・議会では、いわゆる「専門用語」が「公用語」となっており、一般市民、とりわけ高校生には分かりにくい言葉もあります。
例えば、「市債」。教科書では「国債」=「国の借金」と説明ありますが、「市債」まではどうだろう。「歳入(=収入)」、「歳出(=支出)」も一般的ではありません。
休憩中に賛成・反対討論を練ったり、議員間のロビー活動が始まりました。自分たちの案に賛同してもらうための説得工作です。もちろん、模擬市や模擬市民にとって最適な税金の使い方(市の将来あるべき姿や住民の福祉向上)についての意見交換。
いよいよ休憩を解いて本会議再開です。賛成若しくは反対討論が各会派からなされました。お互いの会派修正案に対して自分の会派の良い点、他の案の悪い点をアピールします。
討論が終わった後、採決へと移ります。基本的に複数の修正案が提出された場合、市長提出案(原案)に最も遠い修正案から先に表決を採ります。(表決の順序→標準市議会会議規則第77条第2項)
結果からいいますと、最も市長案に遠い修正案から採決され、賛成少数で否決。次に遠い修正案が市長案に近い会派の賛同を受けて賛成多数で可決されました。まさに説得工作の賜物。
今回の模擬議会に参加して思ったこととして、若者世代の「視点」を地域づくりに生かすことをもっと考えないといけない。歳を重ねるごとに「固定観念」というか、自分の若い時に思ったこと(理想)が時代遅れになっているかもしれない、ということを感じました。そういった意味で世代間を超えた「話し合いの場」は必要です。
今日参加していただいた高校生、大学生の皆さんに感謝です。彼らにとっても直にくる国政選挙(参議員選)が投票デビュー。そして身近な自分が住んでいる”まち(自治体)”で税金が使われるプロセス(仕組)として有権者代表である議会が決定権(予算案可決)を持っており、首長(市町村長)が執行(お金を使う)していることを学べた良い機会であったと思います。
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