大崎海星高校に学ぶ
雨のちくもり
昨日は大崎上島町にある大崎海星高校を訪問し、今年6月に開校した公営塾「神峰学舎」や学校活性化についてお話を伺いました。江田島市内にも小規模校(1学年1学級)である大柿高校があり、昨年度から学校活性化地域協議会において公営塾や県外募集について協議されています。(→こちら)
公営塾開設に至る経緯ですが、移住の問い合わせの際、子どもを持つ親の場合は必ず教育の質、とりわけ高校での教育の質を問われることが多く、高校が地域活性化においても不可欠な要素であるということが挙げられます。
地域コーディネーター(取釜宏行氏)の仲介で島根県立隠岐島前高校魅力化プロジェクトに携わる㈱GGCが行政・学校・議会にプレゼンし、検討の結果、高校の魅力化によって地域力向上を目的として事業費1,726万円の公営塾運営が今年6月から始まりました。
地域おこし協力隊(2名)の役割は塾講師ではなく、学習について適切なアドバイスをすることで生徒の意欲・学力向上につなげることであり、進学以外の生徒には就職活動のアドバイスもしているそうです。週一回は高校教師と授業について意見交換をしているとのこと。また、月一回は主に1・2年生を対象として「課題発見・解決型学習」を学ぶ「夢ラボ」を開くことで高校の魅力づくりを進めていきます。
このような動きは大崎海星高校活性化地域協議会の会長が高橋町長であり、教育長も委員にいることも一つの要因ですが、地域コーディネーターが学校と地域や行政を密接に繋げていること、これが重要なポイントであると思います。尚、今年度からは町議会からも所管委員会委員が協議会委員になっています。
県外募集について。現在は町内の子ども達の1/3が海星高校、1/3が広島商船高専、1/3が本土の高校という状況のようです。公営塾を開設したことで島内の進学率を高めるファクターになるでしょう。しかし、将来的に町内の子ども達だけでは県教委が示す全校生徒80人以上(本年度は63人)を達成することが難かしい。それを見越して、高校魅力化推進チームを編成し、「行きたい学校」となる施策の戦略を現在練っています。
一方、島内にはもう一つの高等教育機関である広島商船高専もあり、お互いに魅力アップに繋がることを共同研究する予定もあるそうです。平成28年度入試から県外募集を検討しており、住まい・食事・里親の確保に向けて町・同窓会等が協議を始めています。
江田島市では船便で呉市や広島市への通学環境が整っているため、一学年の85%が島外の高校へ進学しています。それ故に地元高校が廃校になった場合の危機意識が薄いといわざるを得ません。一度廃校になると二度と復活することがないという認識を持ち、定住・移住促進にどう影響がでるのか見極める必要があります。「市の活性化」、「定住・移住促進」の観点から全市的に共有すべき重要課題であると思います。
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