公募型プロポーザル方式について
晴れのちくもり(夕刻一時雨)
3月26日に市長が表明した「市営船の公設民営化方針」について。来年4月1日からスタートするため今年9月までに指定管理者を決定することは先日のブログで記しました。(→こちら)
選定方法はこれから条件も含めて市が検討することになりますが、方法のひとつに「公募型プロポーザル方式」というものがあります。公募型プロポーザルとは、高度な専門的な知識を必要とする業務等の契約に当り、当該業務の目的及び内容に最も適したものを選定して随意契約を行う方法と江田島市プロポーザル方式実施要綱に規定されています。
江田島市プロポーザル方式実施要綱では以下のことが規定されています。
第4条(審査委員会の設置) 市長は、プロポーザル方式により発注しようとするときは、適正かつ公平に受託者を決定するため、業務ごとにプロポーザル方式受託者特定審査委員会(以下「審査委員会」という。)を設置する。 第6条(審査委員会の組織) 審査委員会は、委員長及び委員をもって組織する。 第7条(委員長) 委員長は、副市長をもって充てる。 2 委員長は、会務を掌握する。 3 委員長に事故があるとき、又は委員長が欠けたときは、あらかじめ委員長の指定する委員がその職務を代理する。 第8条(委員) 委員は、総務部長・財政課長及び当該業務に関連する部長並びに課長をもって充てる。 2 委員長は、必要があると認められるときは、学識経験者等の特別委員を置くことができる。 3 前項の特別委員は、学識経験者2名以上を市長が委嘱する。 第10条(専門委員の設置) 第5条第3号について、委員長が必要と認めるときは、別に専門委員会を設置してこれを審査することができる。 2 専門委員は、当該業務に関連する部長を委員長とし、委員として関連職員等を委員長が任命する他、第8条第2項の特別委員2名を構成員とする。 3 前2項によって決定した事項は、第7条の委員長に報告する。 |
尚、江田島市では公募型プロポーザル方式を採用したものとして、昨年実施した未利用財産の利活用に係るもので、「旧津久茂小学校」売却の案件がありましたが、審査委員会は市職員のみで構成されました。審査内容については第11条(秘密の保持)によりまったく分かりません。
参考までに平成25年第3回臨時会(8月5日)の議案第59号「市有財産の処分について」をご覧ください。(→議事録 PDFファイルのP.6~13)
総務部長答弁として、「今回の場合はですね、職員での委員で審議いたしました。要綱の中にですね、委員長が必要があると認めるときは、学識経験者等の特別委員を置くことができるとなっておりますので、今後そういった部分を検討させていただいて、なるべくなら、外部委員の方も入っていただくような運営の仕方にさせていただければと考えております。」とあります。
※平成24年に実施した旧・大君保育園と旧・切串中学校特別教室棟の有償貸付(賃貸借)についても同様であったと記憶しています。旧・大君保育園では民間会社とNPO法人の2社が応募し、民間会社が選定されましたが選定理由等の明確な情報は非公開です。(参考過去記事→こちら)
今回の市営船の指定管理者選定で、仮に公募型プロポーザル方式を採用するのであれば、外部委員を置くべきであると考えます。本件は船舶運航・航路運営という特殊かつ専門性をともなう事案であり、かつ、公共交通機関であるため、江田島市プロポーザル方式実施要綱第4条で設置しなければならない審査委員会には、第8条第2項にある学識経験者等の特別委員2名を置き、かつ、第10条にある専門委員会を設置すべきです。
将来にわたる中長期的な江田島市全体の海上交通をしっかりと見据えた業者選定こそ持続可能なまちづくりの第一歩です。審査委員には幅広い専門的知識が必要であることはいうまでもありません。また、上述の総務部長答弁のとおり、外部委員を入れた審査委員会の運営を是非ともしていただきたいが委員長(副市長)次第ということになるのであろうか。
法定の江田島市公共交通協議会(会長は副市長)という公開の場で議論され、かつ、昨年市内15会場で「西能美航路再々編について」住民説明会を実施し、全市的に議論されている問題です。選定手続きの外形的公正性や審査内容の公開は至極当然のことであると考えます。市民あっての江田島市、市民あっての行政と議会であることを忘れてはなりません。
因みに、大阪府公募型プロポーザル方式実施基準(平成26年2月3日施行(一部改正)→こちら)では、事業者の選定手続きには外形的公正性が求められることから選定委員会は原則として庁外の第三者による委員で構成することになっています。また、契約交渉の相手方を決定した後、条件付ですが全提案者の評価点や最優秀提案事業者の選定理由、選定委員会委員の氏名や選定理由を公表することになっています。
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