広島県の挑戦
晴れ
広島県が平成23年度から課長級以上の管理職について定期昇給を廃止し、事実上の「年俸制」を導入する方針を決め、給与条例の改正案を12月定例県議会に提案する予定です。
総務省によると、定期昇給廃止になれば都道府県では初めてということです。(国家公務員にも導入されていない。→公務員として初の試みとなりそうです。)
○対象者
警察本部と教育委員会を除く課長級以上の県の管理職およそ240人
○変更点
これまで: 在籍年数に従って給料が増える定期昇給
来年度から:定期昇給を廃止し、仕事の成果に応じた事実上の「年俸制」を導入
○人事評価方法
職場の上司と目標を設定し、その達成度に応じた査定の結果が給与に反映される。その結果、査定が低ければ前の年と給与が変わらない職員も出る。(勤勉手当(ボーナス)にも達成度の割合を拡充するなど成果主義を徹底。)
尚、評価を給与に反映させていない一般職については、ボーナスの一部に査定を導入する方針。
(注)地方公務員の給与
基本給を給料といい、諸手当(たとえば、扶養手当、通勤手当、時間外勤務手当、管理職手当、期末手当、勤務手当など)を含めて給与といい、条例で定められている。
湯崎県知事は着任時に、県職員に対して①県民起点、②現場主義、③成果主義という3つの視座を示しています。
今回の改革は③成果主義に向けた第一歩であると思います。7月31日の自治体有志の会第7回シンポジウムin広島で基調講演されたときに、「役所には競争がない、これが行政機構特有の問題」と言われていました。
「競争には、競争意識と職員間の競争意識と両方あるが、これがないということが、役所が進化しない大きな理由」ともおっしゃっています。職員のやる気こそ、その自治体の活性化に繋がるのではないだろうか。自治体職員は専門家集団である。”地域づくり”の企画立案をするテクノクラートであることを忘れてはいけない。将来の住民に対しても責任ある仕事をしているということです。
最後に、県は今回の年棒制とともに、これまで使ってきた国の俸給表に替えて「給料を引き下げた独自水準給料表」を導入し、職員数削減も進める方針を固めました。
これにより、人件費総額は2010年度比で、11年度は103億円、20年度は262億円それぞれ削減できると推計。11年度から15年度までの5年間の累計では449億円、同20年度までの10年間の累計では1055億円の削減効果が出るとみています。
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