たこフェリー(明石-淡路)休止へ
晴れ
今朝の温度は10度を下回り、この秋一番の冷え込みでした。風邪などひかないよう体調管理に注意しなければ。
「たこフェリー」の愛称で地元や観光客で親しまれている兵庫県明石港と淡路島を結ぶ第3セクター【明石淡路フェリー】が高速道路割引などの影響を理由として11月16日から運航休止になるそうです。(株主は自治体が明石市・淡路市・洲本市・南あわじ市、民間は筆頭株主(親会社)としてツネイシホールディングス(広島県福山市))
約70人の従業員は全員解雇、2隻あったフェリーのうち1隻はすでにタイのフェリー会社に売却し、最後の1隻も売却の方針。(フェリーの売却益で従業員の退職金などに充てる。)休止理由としては、「高速道路料金割引の影響で経営が悪化し、これ以上引き延ばすと、さらに損失が膨らんでしまう。」ということです。(淡路ジェノバラインとの事業引き継ぎ交渉はまとまらなかった。)
今回の遠因は1998年(平成10)に開通した明石海峡大橋。その後の燃料高騰や高速道路料金割引もあるだろう。現在の通行料金(ETC利用)とフェリー運賃の比較は以下の通り。
明石海峡大橋 | フェリー(同乗者大人1人につき+100円) | |
普通乗用車 | 1,000~1,610円 | 2,050円 |
大 型 車 | 1,925~2,695円 | 3,500円 |
2009年度(平成21)の車両運送台数は明石海峡大橋開通前の1/8、旅客は1/4に落ち込んだという。橋が自動車専用道路のため、フェリー休止によってサイクリング客や車を運転しない旅客がどうなるかだが、観光事業にも影響がでてくる。高速道路の料金割引や無料化社会実験といった道路政策による悪影響の1つです。
尚、馬淵国交大臣の10月19日の会見要旨としては、「廃業そのものが高速道路施策と密接に関連したかということについては、現時点では因果を含めて明確に把握していない」が「こうした航路や他の公共交通機関への影響を考慮しつつ、高速道路の無料化は社会実験を繰り返しながら段階実施すると言ってきており、この方針は変わらない」というものです。
江田島市においても他人事ではなく、広島呉道路(クレアライン)無料化実験によって広島を結ぶフェリーの車両台数が20%前後減少したと聞いている。10月から西能美航路(フェリー)合理化の社会実験により、江田島市企業局のフェリーが来年3月まで運休になっています。最近脚光を浴び始めた江田島市へのサイクリング・ルート。フェリー利用者の選択肢を狭めたことになり、サイクリング熱に水を差すことになりかねません。
なんといっても海上交通なくして江田島市の将来はありえません。生活道路ともいえる交通機関です。持続可能な江田島市であるために行政・市民・議会が一体となって死守しなければ。国や県頼みだけでなく、民間の知恵もフル活用して生き残りをかけた海上交通網の構築を急がねば。江田島市公共交通協議会の役割は重要です。
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